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ー 20歳で初主役、撮影現場でのほっこりエピソード
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ー 「母と話す時間が逆に増えました」
藤原大祐 撮影/北村史成 スタイリング/勝見宜人 ヘアメイク/佐々木麻里子

 NHK夜ドラ『柚木さんちの四兄弟。』でテレビドラマ初主演の藤原大祐(20)。親を亡くした4兄弟のほっこりとした日常を描くドラマで、長男を演じる。20歳の若さで、テレビドラマの初主演をつかんだ。

20歳で初主役、撮影現場でのほっこりエピソード

「目標だった“テレビドラマ主演”をハタチの今やらせてもらえるのは、ありがたいと同時に背伸びのような気もしています。僕にはまだ早いなという思いもありましたが、機会をいただけたからこそ、これから主演の器になっていかないといけないと覚悟を決めました。

 原作者の方にも役にピッタリだと言ってもらえたので、期待に応えられるように頑張っていきたいです」

 ひとり年の離れた社会人2年目の長男・隼役を演じる藤原。次男と三男は同学年で中1、四男は小1で、遊びたい盛りの元気な男子たちだ。4人のリアルな関係性を作品に投影するべく、リハーサル時間を通常より多くとって撮影に臨んだ。

「最初はキャラを演じようとしていたけど、“隼というより、4兄弟としてそこにいればいいよ”と監督に言ってもらったので、それに身をゆだねています。

 弟役の子たちとリアルな関係を築いて、お芝居というよりはその場にいるだけです。休憩中もずーっと一緒に遊んでるんですよ、1秒も遊んでない時間がないくらい(笑)。そのまま撮影に入っている感じです」

 役の中とリアルの関係が、ほとんど変わらないという。

「こんなに境目がないのは初めてです。一緒に楽しみながら撮影していて、この前は撮影で出てくるごはんが本当にうれしくて、その話で持ちきりでした。弟たちは“今日はチーズハンバーグだって、やばい、お弁当食べないようにしようかな”って言いながら、弁当もチーズハンバーグもしっかり食べてました(笑)。

 ごはんを頬張りすぎてセリフが言えなくなってNGとかもあるんですよ。他の現場じゃありえないです(笑)。本番中も、ハンバーグが本当に美味しそうだから“うまそう”“いいにおい”ってそのまんま感情が乗った言葉が出てきているんです。これが本当の芝居だなって、弟たちに学ばせてもらってます」

 弟のことを話すやさしい表情は、お兄ちゃんそのもの。“柚木さんち”でできた3人の弟が可愛くて仕方ないのが伝わってくる。

「僕には兄弟がいないから、仕事も家事も全部頑張って、自分がどんなに大変でも弟が笑ってくれればそれでいいっていう隼の気持ちがわからなかったんです。でも、その感覚が撮影を通してちょっとずつわかってきました。

 隼のお兄ちゃんとしての気持ちがわかるようになったことがうれしいです。現場では特にお兄ちゃんを意識していることはなくて、ただ弟たちにラフに接しているだけ。あとは3人が僕をお兄ちゃんにしてくれています

 実際はひとりっこ。演じる隼とは長男という共通点があるが、似ている部分はあるか尋ねると、

長男として、家族に望まれることをやってきた部分はあります。ただ人にめちゃくちゃ甘えるので、末っ子のような気質もあると思います。でも、やっぱりベースは長男ですかね。自分がやらなきゃいけない意識というか、そういう感覚はあります。

 隼と自分が似てると思うのは、自分が支えなきゃという意識が高いところです。頑張りすぎちゃう、自分にプレッシャーをかけすぎちゃうところは僕にもあります。でも隼は、弱みというか、へっぽこな部分を見せられる人。僕は隼のように弱みを見せられないので、そこは違うなって思います」