なんとなく買うよりも、一緒に遊びながら楽しく学べる方法を、と選んだのだ。
「でもその後、僕のほうから子どもに仕掛けたことは一度もなくて。子どもが“こういうの欲しい”って言ったら“じゃあこういうおもちゃがあるよ”と提案する感じで。本音では、“パパが教えてくれるおもちゃ面白い!”って喜んでもらって、子どものヒーローになりたかったからなんですが、思わぬところで資格が生きました(笑)」
IQは筋肉と一緒で鍛え続けないと能力が落ちていく
そこで気になるのが、天才を育てたチャン家のおもちゃだ。
「パズルが大好きで3歳ごろからいっぱい与えていました。300ピースでも箱の見本を見ながら作っちゃうんですよ。将棋の藤井聡太さんが小さいころに遊んでいたことで爆売れした、三角の立体になるマグネットのパズルもよく遊びましたね。
頭で描いてから組み立てる『ニューブロック』や『ころがスイッチ ドラえもん』(プログラミング思考が身につくというバンダイの知育おもちゃ)でも、空間認識能力が育ったのかな。ただ楽しく遊んでいる様子で、遊びと知育になんの隔たりもなかったですね」
IQが高いことがわかってから子育ての方針に変化はあったのだろうか。
「IQは筋肉と一緒で鍛え続けないと能力が落ちていくらしいんです。だから能力を維持するために、数学に特化した図形教室に通ってるんですが、僕には太刀打ちできないくらい難しくて。けど本人は楽しんで通っているので、大切な居場所のひとつなんだと思います」
小学校は国立を選択した。
「メンサの会員になる前から受験は考えていました。僕は三重の田舎出身なので私立も国立もよくわからないんですが、妻の父が国立出身でその良さを聞いていたので」
そのために、志望校のある区へ1年前から引っ越して準備をスタート。受験前にはまずくじ引きによる抽選があり、外れれば行きたい学校を受験することすらできない。
「子どもにはその点も前もって教えました。行きたいからって、受験できるわけじゃないんだよ、と。それでも、受験対象の学校のテストの傾向や、特徴なんかも事前によく調べて、家族みんなで話して挑んだっていう感じです」
はたして、望みの学校へ入ることはできたのだろうか。
「もうね、受験しに行って帰ってきたときの目の色が全然違いましたね、ここ行きたい!って」
見事、希望する学校に合格し、この春には小学2年生に進級している。
「4月から7時間授業が始まったんですけど“7時間授業、うれしい!”ってめっちゃ楽しそうで。僕自体は学校が楽しいってあんまり思えなかったので、学校には“ありがとうございます!”って感謝の気持ちでいっぱいです」
帰宅後もスケジュールがびっしり。
「習い事は本人がやりたいと思うものはできるだけやらせてあげたいと思っていて。例えば昨日は、オンラインで英語をやったあと、頭の回転がよくなると世界的に流行っているソロバンをやって、学校の宿題をやって、合間にご飯を食べて数学教室の図形の問題をやって、好きな絵本を読んで、お風呂に入ってギリギリ20時に寝ました」
これだけ詰め込まれていると大人でもぐったりしそうだが……。
「怒涛ですね。次女もソロバンと、受験に向けたオンラインの授業を受けてるんですけど、2人ともめちゃくちゃ楽しんでるんですよ。そのことに親の僕もビックリします」
長女の場合はむしろ「やりたい」があふれてしまい、優先順位をつけるためにそれぞれの習い事のいい面などをわかりやすく箇条書きにして、本人が納得したうえで選ばせているという。