平泉成 撮影/齋藤周造 ヘアメイク/石下谷陽平
平泉成 撮影/齋藤周造 ヘアメイク/石下谷陽平
【写真】私生活でも交流を持つAぇ! group佐野晶哉との意気の合ったシーン

 若いころ報道カメラマンだった鮫島は、仕事に情熱を注ぎ、家族に寂しい思いをさせてしまった“想い残し”がある。「そこは違いますね」と語る平泉は、常に家族のことを中心に考えてきた。

「趣味は“家族です”」

仕事と家族だったら、もちろん家族のほうが優先。趣味は“家族です”って言っているくらいですから。家族と仲良く楽しくやっていくために、仕事を大切にしていかなきゃいけない。だから、家族を質に入れても芝居がやりたいみたいな思いはなかったですね。もちろん、芝居は好きですよ。でも、この60年を振り返っても、家族と仕
事を天秤にかけて、逆の選択をすればよかったというような記憶はないですね

 劇中の写真館で撮影した家族写真にまつわる印象的なシーンに触れたとき、パンツの尻ポケットから財布を出し、中から小さな家族写真を取り出してくれた。

子どもたちが小さいころに女房と写真館で撮影した大切な写真です。六つ切りくらいの大きいサイズのものを小さくプリントしてもらって。もう、子どもたちは就職して、親になりました。これ、何のタイミングで撮影した写真かな? 女房に聞かないとわからないですね(笑)。でも、この写真を見るたびに、どんなときも頑張って育ててきたなと思うんです。みんなで一緒に生きて、みんなで一緒に幸せになろう。みんなで一緒に頑張っていこうねと

 1枚の写真を撮るために精いっぱいおしゃれをして、全員がひとつのレンズに向かう。その家族写真が、一生の宝物となる。

「ぜひ、みなさんにも写真館で家族写真を撮っていただきたい。今回の映画、すごい作品になったと思っています。優しさと温かさと大切なもの、いろいろなことが学べる。80歳で主役というのも、ひとつのドラマですよね。こういう大人にピントを当てた映画が増えたらいいなと思うんです。日本には、素敵な大人たちがいっぱいいる。生き方の見本となるような芸術家の方々もたくさんいらっしゃるので、ぜひ、そういう作品が増えていったらいいなと思います」

趣味のカメラ

 若いころ、一眼レフカメラを一式買って遊んでいたときがありました。一度、やめたんですが、子どもが生まれたらまた撮るようになって。今度は、デジタルカメラですけど。すぐに撮れるように、いつも手の届くところにカメラを置いています。最近は孫や、ちょっと狭い庭ですが今の時季だとバラが咲いているのでよく撮りますね。夏休みや冬休みになると、子どもや孫たちと家族で旅行に行くこともあるので、海や山で家族を撮影しています。

(C)2024「明日を綴る写真館」製作委員会 (C)あるた梨沙/KADOKAWA
(C)2024「明日を綴る写真館」製作委員会 (C)あるた梨沙/KADOKAWA

映画『明日を綴る写真館』6月7日(金)全国公開! 配給:アスミック・エース