今回、数学的に考えるために使うツールは、

・場合分け
・(降水)確率
・期待値

 の3つです。聞いたことがある言葉ばかりではないでしょうか。

どういう状況が嫌なのか?

 まず、状況を場合分けしてみます。便宜上、「晴れ」とは雨が降らなかったことを指すものとします。つまり曇りのときは、雨が降っているわけではないので「晴れ」に含まれます。

ケース(1) 傘を持って出かけた&晴れた
ケース(2) 傘を持って出かけた&雨が降った
ケース(3) 傘を持たずに出かけた&晴れた
ケース(4) 傘を持たずに出かけた&雨が降った

天気は晴れか雨か、傘を持っていくかどうか、で場合分けする(画像:著者作成)
天気は晴れか雨か、傘を持っていくかどうか、で場合分けする(画像:著者作成)
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 場合分けができたら、それぞれのケースにおける「不快な度合い」を数値で置き換えます。

 この中で最悪なのはケース(4)、つまり傘を持たずに出かけたが雨が降ってしまった場合でしょう。たとえば、不快度を「10」としましょう(もちろん「10」でなくても問題ありません)。

 次にケース(1)がどれくらい不快かを数値に置き換えます。ここでの不快とは、たとえばずっと傘を持って歩くことの面倒さなどでしょうか。ここで重要なのは、先ほどのケース(4)の不快度(10)と比較してどれくらいかを考えることです。つまりここで示される数値は絶対的なものではなく相対的なものになります。

 仮にケース(1)の不快度を「3」としましょう。さらにケース(1)とケース(2)は傘を持っている手間というコストを支払っている意味では同じなので、ケース(2)の不快度も「3」であると考えます。

 もちろんこの数字も人によって違うでしょう。晴れの日に傘を持っていることと雨の日に傘を持っていることでは意味が違うと考える人もいるかもしれません。そのような価値観の人はそのように数値で表現すればよいのです。