そして、肝心のがんとの関係でいうと、近くの京都市と比べると大腸がんにかかる人は半分以下。やはり、腸内細菌と大腸がんは関係があるのだろう。どうしたら酪酸菌を増やすことができるのか。

「京丹後の人たちの特徴は、ひとつはよく身体を動かすこと。畑仕事や漁業などに従事している人が多いということもあるのですが、京丹後は少し前までコンビニもなかった町で、近所の家に出かけるといっても距離が長く、必然的に歩く距離も多くなるのです。

 もうひとつの特徴は、やはり食生活。根菜や海藻類、豆類を日常的に食べている人が多かったです。それらに多く含まれる水溶性食物繊維が酪酸菌を増やすのに効果的なのだと思います。

 私たちが調べたところ、京丹後市の高齢者の4人に1人は毎日、全粒穀物を食べていましたが、玄米などの全粒穀物にも水溶性食物繊維は多いです」

 そこで、管理栄養士監修の酪酸菌を増やすレシピをご紹介する。水溶性食物繊維の多い食事に変えると、4週間ほどで腸内細菌に変化があったという実験結果も複数あるので、ぜひ、日々の食生活に取り入れてほしい。

「食事ももちろん大事ですが、大腸がん予防にもっとも大切なのは、やはり、定期的な検診です。40歳以上の人を対象に年に1回の受診が推奨されていますので、自治体などから案内がきたら忘れずに受けるようにしてください」

 特に女性は、大腸がん検診で要精密検査の案内がきても、「私は痔だから大丈夫」とか、「生理の血がついただけ」と自己判断して精密検査に行かない人も少なくない。大腸がんが進行した段階で見つかることが多いのは、そのことが関係しているという指摘もあるから要注意だ。

“大腸がんになる人”が少ない町「京丹後市」
“大腸がんになる人”が少ない町「京丹後市」
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