結婚後も皇室に残る可能性

「現在、与野党では安定的な皇位継承のための議論が進んでいます。今国会会期中の合意形成には至らなかったものの、今後も協議が進んだ場合、愛子さま佳子さまなどの女性皇族が、結婚後も皇室に残られる可能性が浮上します」

 そうなった場合、「将来的におふたりのお立場が逆転する可能性がある」と話すのは元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さん。

「皇族の序列は、そのときの天皇との関係で決まります。愛子内親王殿下は現在の天皇の子どもで、佳子内親王殿下は先帝の孫で現在の天皇の姪にあたりますので、愛子内親王殿下が序列は上になります。しかし、お代替わりによって秋篠宮殿下が天皇になられた場合、佳子内親王殿下が天皇の子どもとなり、先帝の子どもである愛子内親王殿下より序列は上になります。悠仁親王殿下が天皇になられた場合も、佳子内親王殿下のほうが天皇に近いため序列は変わりません」(山下さん、以下同)

 明治以降、今の陛下までの5代すべて実子の直系男子が皇位を継承してきた。天皇家が秋篠宮家に移った場合、約100年ぶりの大変革となる。

「秋篠宮殿下が皇位に就かれた段階で、天皇家の本家は、いわば分家である秋篠宮家に移ります。民間でも分家は、本家を存続させていくための役割がありますが、分家が本家になるということはないでしょう。本家に後継者がいない場合、分家などから養子をとることで家を存続させていくことはよくあることですが、皇室の場合、1889年に制定された『皇室典範』で、皇位継承順位などの序列の秩序を安定化させるため、天皇や皇族が養子をとることを禁止しました。現在の皇室典範もそれを踏襲しており、養子は認められていません」

 おふたりの序列の入れ替わりは、皇室の未来に大きな影響をもたらすそうで、

愛子さまの国民からの人気は圧倒的で、“愛子さまを天皇に”との国民の声は今なお上がり続けています。一方、秋篠宮家は子さんの結婚騒動以降、世間からの風当たりは強く、少しでも落ち度があれば批判される状況。そんな中、佳子さま愛子さまよりも上のお立場になることを国民は受け入れられず、秋篠宮家へのさらなるバッシングを招く可能性もあります。さらに、皇室に対する尊敬の念が国民から失われてしまう可能性すらありうると思います」(前出・皇室ジャーナリスト)

 姉妹のような関係が悠久であることを願うばかりだ。

山下晋司 皇室解説者。23年間の宮内庁勤務の後、出版社役員を経て独立。書籍やテレビ番組の監修、執筆、講演などを行っている