「偏見なしで、とにかく着てみてほしい。年齢も性別も関係ないです」
そうはっきりと言い切るのは、ロリータファッション歴18年のオンプさん。50代の男性だ。普段はタクシーの運転手をしているが、休日はロリータファッションに身を包み、友人とイベントなどに出かける。
オンプさんがロリータファッションに目覚めたきっかけは、2004年に公開された映画『下妻物語』だという。ロリータファッションが大好きな女子高生(深田恭子)が特攻服を着た不良少女(土屋アンナ)と出会う物語で、世の中のロリータファッションの認知度を一気に上げた作品だ。
「下妻物語は、映画そのものの面白さはもちろんですが、作中で深田恭子ちゃんが着ていたお洋服が本当にかわいくて。素直に、自分も着てみたいなと思いました。でもそこから1年くらいはネットでお洋服を眺めているだけだったんですが、自分でも着れそうなサイズのお洋服を見つけて、思い切って通販で買ったんです。」(オンプさん、以下同)
普段着がほぼロリータに
最初は、自宅で着るだけのつもりだったが、
「代官山にあるロリータファッションのお店に行ってみたんです。そしたらお店の店員さんがとても優しくしてくれて。何着か買っているうちに、せっかくお洋服を持っているならお店に着てきてください、って言ってくれたんです。“え、着て行ってもいいの?”とびっくりしました。でもとても嬉しくて、そこからロリータファッションで外出するようになりました。今では普段着がほぼロリータになってます(笑)」
小さい頃から、アイドルが着ているふわふわのスカートの衣装が好きだった。ずっと頭の片隅で憧れ続けたお洋服を実際に着られるのが、ロリータ服だったという。
「ロリータのお洋服を来ていると、自分じゃないみたいで、所作まで変わってくるんですよ。元々ガサツな性格なんですが、物を大切にしたりとか、人に優しくなれたりするんです」