老後ビンボーになる人がやりがちなこと
老後資金は「どうにかなる」と楽天的
メディアで発表された退職金や年金の平均額をそのまま信じている人も多い。
「よく耳にする退職金の平均相場2000万円は、中小企業ではほぼありえません。また、たびたび紹介されている『モデルケース』は、浮世離れしていることも多いので、うのみにしないで。一度、『ねんきん定期便』で1か月の年金受給額を確認してみると、自分がもらえる金額の少なさに驚くはずです」(山中さん、以下同)
足りない分を補う老後資金を貯めるには、具体的な貯蓄計画を立てることが何より必要になる。
「将来、自分がお金の不安なく暮らせることを目標にしてみてください」
家庭の貯蓄額を知らない
夫婦で収入を別々に管理していないだろうか。「ちゃんと貯金しているから」というお互いの言葉を信じていたら、老後の資金が足りないなんてことも……。
「夫がお金を管理していて、妻は貯蓄額を知らないこともまだまだ多いです。まずは老後のライフプランを相談し、そこから理想の生活のための老後資金について話す中で、お互いの貯蓄額をオープンに。早い段階でお互いの収支を把握できれば、収入を増やしたり、支出を減らす対策ができます」
損をしたくないのでパート勤務は扶養内に
夫の扶養内では妻の年収が103万円を超えると納税が必要になり、106万円を超えると扶養から外れて社会保険への加入義務がある(令和6年10月以降、従業員数が50人超の会社も対象)。
「配偶者の扶養から外れ、自らが厚生年金に入るのを“損”と捉えがちですが、老後を考えるなら社会保険料を支払ったほうが、将来もらえる年金の総額も増えます」
特に若いころ、ほとんど働かずに専業主婦になった場合、厚生年金額が少ない。
「将来、基礎年金のみでは生活が厳しいなら、元気なうちに働いて年金をつくり出すべき。正社員採用され、勤務年数が延びれば年金額も増えていきます」