「入居時はきちんと挨拶にみえて“いい人だな”という印象。家賃の支払いは遅れたことがない。部屋にグランドピアノを入れ、調律師を呼ぶときには“一時的に駐車場を貸してください”とお願いに来るなど折り目正しかった」(同マンションのオーナー)

事務所は「闇にはいっさい気づかなかった」

 2021年6月にはデビューアルバムをリリース。ネコ派を自任し『ショパンの「小犬のワルツ」による即興曲―ネコ好きのための―』を作曲した。その指づかいは「超絶技巧」と評され、夫婦でリサイタルを開くことも。音楽の魅力を伝えるため東北の小学校で演奏したり、母校の中学校で凱旋公演する“お手本”だった。

 所属事務所は「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」とした上でこう話す。

「詳細を確認中です。個人で受ける仕事もあるため犯行当日は仕事かプライベートかわかりませんが、事務所の同行者はいません。著名なコンクールを駆け上りながらも、まじめで控えめな好青年。闇にはいっさい気づかなかったので驚いています」(担当者)

 特にショパンの演奏は、他のピアニストからも高い評価を得ていたという。

 昨年7月には清里でのコンサートを前に、

《ショパンのバラードには森の情景が浮かびます。明日はついに3番と4番を初出し…。既に緊張止まらず、四六時中楽譜が手放せません。この神聖な瞬間は至極だけど、最高の緊張感…全集中の呼吸で挑みます!!!》

 とSNSに投稿。

 犯行に緊張したかは知らないが、大切な人たちを裏切り何に集中しているのか。