一条天皇と藤原道長
道長は“政治を意のままに操った”という従来のイメージとは異なる、温和な人物として描かれているのも印象的。
「本当にこういう人だったのかもと思わせられる脚本です。実際、道長は一条の好みを熟知しているかのような贈り物をたくさんしたそうです。もちろん、取り入るためと言われればそれまでだけど。
一条も悪い気はしないだろうし、“実はいいヤツじゃん”とも思ったんじゃないかな(笑)」
所作での苦労は?
「公卿は帝に対しての作法がいろいろあるけれど、帝より上の立場はいないので。実は公卿の方々ほど大変ではないんです(笑)。ただ、公卿よりゆっくり時間が流れているような所作は意識しています。
一条の衣装は白い着流しに、赤い長袴と羽織を着て、1か所ピッと留めるだけ。現代のジャージみたいな感覚です(笑)。(公卿の)みなさんより脱ぎ着は楽なんですが、移動のしやすさでいうとまた別ですね」