山根市議は、石丸氏と市を相手取り2021年6月に名誉棄損による損害賠償を求めて広島地裁に提訴。
「私は当初、石丸氏個人を訴えようと考えましたが、石丸氏が“市長という立場で投稿や発言をした”と話したため、市も一緒に訴えることになりました。市長という立場で嘘の投稿や発言をした責任の重さを感じてくれればと思いましたが、石丸氏はどうもわかっていないように感じています。裁判で石丸氏側は“恫喝された”の一点張りでした」(山根市議、以下同)
裁判所の判断は「恫喝はなかった」
広島地裁は2023年12月、「恫喝はなく、あったと信ずるに足りる証拠もなかった」として、市に33万円の賠償を命じる判決を言い渡す。しかし、この判決を不服として市は控訴するが、広島高裁は1審判決を支持。山根市議の主張が認められた。これを受け、石丸氏は最高裁に上告したが、市は上告を断念した。
「最高裁は、法律の解釈などを審理する法律審です。恫喝の有無を判断する事実認定の争いは高裁までですから、市もこれ以上争っても勝ち目はないと判断したようで安堵しています。しかし、裁判所が賠償を命じたのは市だけであり、石丸氏個人への賠償は棄却されています。彼が公人という立場で行った行為の責任を考えさせるためにも、市は石丸氏に賠償を求めるべきだと思っています」
最高裁の判断を待つべきだが、石丸氏が発信をした影響による被害は今も続いている。
「恫喝したのは私だと石丸氏に名指しされたときから、誹謗中傷が始まりました。“被害者ヅラしても遅い、恫喝を早く認めろ”とか“身の程知らずのクソババア、早く死ね”といった心ない言葉のメールが届いたり、自宅に電話がかかってきたり。夜中に何十回も電話を鳴らされたことも。グーグルマップに自宅の位置が公開されたときは、いつ誰に何をされるかわからない恐怖がありました。こうした被害は現在も続いています」
コメンテーターを“おちょくっていた”と笑いながら話した石丸氏。だが、自分の発言が冗談ですまないほど、鋭利になっている自覚がなければ、人の上に立つ資格はない。