5.熟年離婚

 一時期ブームとなった熟年離婚だが、「倫理面はさておき、医学的にはやめたほうがいい」と平松先生。とはいえ伴侶の存在自体がストレスで、夫が定年になったら離婚したいと望む妻も多いと聞くが。

ストレスはありすぎもダメだけど、まったくないのもダメ。ストレスというのは程よくあることが大切になる。これは夫婦関係だけに限りませんが、面倒な人間関係を持っている人や、誰かといたほうが長生きをしやすいという統計もあります。

 離婚をして人とのコミュニケーションがなくなると、刺激がなくなり、うつや認知症にもなりやすくなります

 友人知人が少なく、希薄なコミュニケーション下にある高齢者ならなおさらだ。

 ただここで気をつけたいのが、伴侶への過度な依存。仲むつまじいのは結構だが、伴侶が生活のすべてとなると、失ったときの反動は大きい。

「夫や妻が亡くなった喪失のストレスによってうつ傾向になる方は多い。男性の場合はお酒におぼれてアルコール依存症になる確率も高くなります。自殺率も上がり、病気になる確率も高くなる。

 実際、統計では伴侶が亡くなって半年以内の死亡率が約40%上昇するというデータがあります。あまり一人に依存しすぎないこと。日頃から気をつけるようにするといいですね」

6.住宅ローンの一括返済

「一括返済すれば気分はすっきりする。ただ当然お金もなくなってしまう。高齢者は手元にお金を残しておいたほうが何かと安心です」と越原さん。

 墓じまい、家じまい、介護など、高齢になると何かとお金が必要になることもある。例えば墓じまいだと100万円では足りず、思いがけず高額な出費になることも。

「固定金利の場合であれば、年金で月々返済できていれば無理に返済することはない。住宅ローンの団体信用生命保険に入っていれば死亡などいざというときも、返済には問題はありません。

 まだまだ自分は働ける、稼げると思っていても、実際は体力が落ちて物理的にできないことも。それを肝に銘じ、無理なく生活することを第一に考えて

※写真はイメージです
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