「震災直後、地元消防や警察には大量の虚偽通報がありました。SNSの噂を信じた人による“善意”の救助要請でした。中には存在しない住所も多く、ただでさえ人手が足りない中で業務が阻害されてしまい、ついには岸田首相が注意喚起する事態にまで発展しました」(地元紙記者)

 ただでさえ、震災直後は街がパニックに陥っていた。混乱を拡大させた責任は重大だと言える。

「生き埋めになって助けが間に合わなかった人がたくさんいますよ。あの時は本当に時間との闘いだった。の通報がなければ助かった命もあったはずだと思うと、絶対に許せない」(輪島市の60代男性)

 SNSでは容疑者による犯行を《間接的な「殺人」行為といっても過言ではない》と糾弾する声も見受けられた。

《旦那が足を挟まれて出られません》

『週刊女性PRIME』は金丸容疑者とされるXのアカウント情報を入手した。このアカウントでは1月1日の午後7時ごろから複数回、実在する住所とともに《旦那が足を挟まれて出られません》という投稿があり、それぞれ数千件以上のいいねがついている。

 もっとも拡散された投稿では、7万件以上のリポストに11万件以上のいいねがついていた。閲覧数を示すインプレッション数は3800万回以上。当時は数多くのユーザーがこの投稿を信じて拡散したことが伺える。

「今回の件はあくまで氷山の一角。他にも虚偽の投稿を行ったユーザーは多数いますが、逮捕に踏み切るハードルは高いでしょう。投稿内容そのものを規制することも困難を極めます。大地震発生時の新たな課題が浮き彫りになりましたが、ひとりひとりのユーザーの情報リテラシーに頼らざるを得ないのではないでしょうか」(前出・全国紙記者)

 この先、地震大国日本では都市部に甚大な被害をもたらす大地震が予想されている。二度とこのような事件が起きないことを願うばかりだ。