輸入肉に頼らず、国産のものに切り替えるという方法もあるが、家畜のエサ代も上がっていて、ロシアのウクライナ侵攻などの影響で10年前のおよそ1・5倍に。もともと“高級”の部類に入っていた国産肉も、より価格が高くなっているのだ。こうした中、企業としての取り組みは、

「社内に購買専門の部署を設置し、購買管理や商品調達先の管理を行っております。全店に過不足なく、商品を供給できるよう努めております」

 とのこと。

増加する倒産件数

 資金力のある大手なら、企業努力でなんとかミートショックを乗り切れるかもしれないが、気になるデータがある。

 帝国データバンクの調べによると、今年の6月時点で全国の焼き肉店の倒産件数は20件(負債1000万円以上、法的整理)。過去最高だった2019年は1年で26件だったというので、今年は記録を更新する可能性が大きい。

 全国で倒産数が20件とは少なく見えるが、チェーン店やフランチャイズの店が価格高騰についていけなくなるとどうなるのか─。

「値上げされた肉を、今までの食べ放題と同じように食べられるくらいに私たちの収入が上がれば問題ありませんが、今の状況だとインバウンドの消費力に頼らざるを得ないのでは」(全国紙記者)

 これまではリーズナブルに楽しめた焼き肉が、高嶺の花になる日も遠くないのかもしれない。