突然の病気、訃報で託される役者の覚悟
5位は、'21年公開の映画『キネマの神様』で、主演を務める予定だった志村けんさんの代役を演じた沢田研二。
「新型コロナウイルスによる志村さんの急死がショックだったが、代役がジュリーとはインパクトがすごすぎた」(東京都・男性・47歳)と意外な代役に驚いた人が多いが、実はふたり、もともと同じ事務所の出身。『8時だョ!全員集合』(TBS系)などで何度も共演するなど、旧知の仲だった。
映画公開後、SNSでは《沢田の表情に志村さんの面影を感じて感動した》《ジュリーの演技があまりにも志村さんに寄せすぎで不自然》と賛否両論。当の沢田自身は、
「志村さんのお気持ちを抱きしめ、やり遂げる覚悟だった」
とコメントを発表。志村の遺志を継ぎ、代役をやり切ることで友情を貫いた。
4位となったのは、'13年の舞台『おのれナポレオン』で、天海祐希の代役を務めた宮沢りえ。
同作は三谷幸喜と野田秀樹がタッグを組んだ超話題作。前売りチケットは完売し、公演は順調に進んでいたが、残り4ステージを残したところで天海が軽度の脳梗塞を発症。代役として急きょ、宮沢が選ばれた。
「代役とは思えないほど素晴らしかった」(東京都・男性・48歳)とアンケートでもその演技を称える声が集まったが、このとき宮沢に与えられた稽古日数はわずか2日。この練習量ではたして2時間半の舞台を演じ切ることができるのか、各方面から不安の声も上がったが、舞台では代役とは思えぬ堂々とした演技を披露。拍手喝采の客席からはスタンディングオベーションが湧き起こり、ニュースでも大きく取り上げられた。
「公演中止の危機を救った宮沢に対し、脚本家の三谷は“宮沢さんに、今回のお礼に芝居を書く”とコメントしました。この9年後に三谷が脚本を務めたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が、その“お礼”ではないかといわれています」(前出・芸能記者)
宮沢は、小栗旬演じる主人公・北条義時の継母、りくという重要な役どころを務め、その存在感を発揮した。突然の代役騒動が、宮沢の女優人生の重要な1ページとなったことは間違いなさそうだ。