「がんとの共存」

 夢だった撮影現場はというと─。

「キャストは個性豊かな人が多く、1人が笑うと、連動してみんなも笑ってしまうような、リラックスした楽しい現場でした」

 放送から25年後の'12年、ある共演者と偶然、再会する。

「蝶子の夫役だった世良公則さんと駅でお会いして、それを機に連絡を取り合うようになりました。コロナ禍で、お会いする機会は減ってしまったのですが、コロナ前は世良さんのコンサートに行ったりもしました」

 再会を果たしたこの年、古村は子宮頸がんを患う。その後、'17年の3月に再発し、11月末には肺とリンパ節への転移が判明。'23年1月には再びがんが見つかり、現在もがんの治療に向き合っている。YouTubeやブログでは自身の経験を生かし、がんにまつわる情報を発信している。

1987年放送『チョッちゃん』(NHKアーカイブスより)
1987年放送『チョッちゃん』(NHKアーカイブスより)
【写真】「がんとの共存」復帰に向けて現在も闘病中の古村比呂

「私も最初は人ごとだと思っていましたが、40代はがんを患う人が多いんです。私の活動がきっかけで、がんへの備えをする人が増えればうれしいですね。“私もがんです、一緒に頑張りましょう”とコメントをくださる人もいて私自身も励みになっています」

 今後の目標についても、力強く語ってくれた。

「お芝居はまたやりたいですね。もちろん体調とも相談をしながらですし、受け入れる側の態勢が整うのも時間がかかってしまうと思います。ただ、諦めてはいません!

 がんと共存しながらも社会生活や仕事もできるということを知ってもらいたいですし、私が身をもって体現したいと思っています」

 苦難を乗り越え、前を向こうと奮闘する“チョッちゃん”は今も健在だ。