ボケが加速するNG習慣
「脳の認知機能を維持するために避けたい食べ物や食べ方はありますが、無理に避けて食事が楽しめず、食欲が減退しては本末転倒。少しずつやめていくようにしましょう」
身体にいいものだと、同じものばかり食べる
いくら脳によい食べ物でも、同じものが続くと栄養が偏り、認知症とは違う病気に結びついてしまう。
「多様な食品を食べている人のほうが認知機能は低下しづらいことも研究でわかっています。まずはバランスのよい食事を」
糖質をとりすぎている
「糖質が多すぎる食事は、大量のインスリンを分泌させ、それが続くと脳のゴミを処理できない状態を引き起こします。まずはご飯を少し減らし、野菜やおかずを先に食べて、血糖値の急上昇を抑える食べ方を始めましょう」
塩分をとりすぎている
「塩分の摂取過多による高血圧は、脳の血管の状態を悪化させる大きな要因。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症のいずれのリスクも高めます」
みそ汁など塩分が高い和食や外食が多めの人は頻度を減らす努力を。
やわらかいものばかり食べる
食事中に“よく噛む”ことも認知機能の活性化に。
「脳の海馬を刺激するので、記憶力の向上効果が得られます。逆に、あまり噛まずに食べられるやわらかいものばかりだと、海馬が衰え、記憶力が低下してしまうので注意です」
教えてくれたのは……認知症専門医 古和久朋先生●東京大学医学部附属病院で認知症専門外来の立ち上げを経て、現在は神戸大学医学部附属病院の認知症専門外来で診療に携わる。著書に『80歳からでも間に合う 認知症がみるみる遠ざかる食べ方大全』(文響社)。
取材・文/河端直子