判断に賛否の声

 今後ハーネスで吊るして、体重の負荷を軽減させつつ、24時間体制でサポートしつつ、ボルトの治療にあたると語る紗栄子。彼女の判断にネット上では、

《命を繋ごうとしてくれる姿に泣いてしまった》

《馬にとって最善の接し方とは何かを考えさせられる》

 など、応援が寄せられる一方で、

《お金かければ助かるとは安易に言えない》

《生かしてやることが正しいとは限らない》

 と、先々を不安視する声も見受けられた。

'20年に紗栄子が投稿した牧場を紹介する動画。ボルトも登場している(紗栄子のYouTubeチャンネルより)
'20年に紗栄子が投稿した牧場を紹介する動画。ボルトも登場している(紗栄子のYouTubeチャンネルより)
【写真】東京ドーム11個分、広大な面積を誇る紗栄子の牧場

 紗栄子の判断は専門家からどのように映るのか。馬に精通している獣医師に話を聞くと「彼女が投稿している情報だけでの判断」と前置きしながらも、

「競走馬や乗馬の業界では、このような重度の骨折の場合、間違いなく諦めます。治療中も馬はものすごいストレスにさらされますし、看病にかかる膨大な手間をかけたとしても、復帰できる可能性はかなり低いと思います」

 と回答。望みが薄い状態のようではあるが……。

「馬をわが子と同様の存在として扱うか、ビジネスや趣味のパートナーとして考えるのかの違いもありますから、もちろん、紗栄子さんの判断を否定することはできません。素晴らしい愛情の形ですし、行動力も凄まじいです。むしろ頭が下がります」

 と、彼女の馬に対する姿勢に敬意を表した。紗栄子の願いは届くのか――。