小さいころから母親が大好き

秋篠宮ご夫妻に付き添われ、学習院初等科入学式に出席した佳子さま(2001年4月)
秋篠宮ご夫妻に付き添われ、学習院初等科入学式に出席した佳子さま(2001年4月)
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

 こうしてみると、佳子さまは小さいころから母親が大好きで、仲良しのようだ。9月10日、佳子さまは母親と一緒に展覧会に出かけたが、さぞかし楽しかったことだろう。

 今年の紀子さまの誕生日文書回答と、佳子さまの成年会見の発言には母娘の親愛の情があふれ、深い味わいを感じさせる。

 誕生日に際して紀子さまは、宮内記者会から「佳子さまの結婚や将来についてのお考えはいかがでしょうか」とも質問されている。これに対して紀子さまはこのように文書で回答した。

《今は成年皇族として、心を尽くして公的な仕事に携わりながら日々過ごしています。これからも健康に気をつけて、元気にすごしてほしいと思っております。そして彼女らしい生き方、幸せを心から願っています》

 紀子さまは、佳子さまの結婚については直接、触れず、「彼女らしい生き方、幸せを心から願っています」という表現にとどめている。成年皇族として、毎回、心を込めて仕事に取り組むことの大切さと、その延長線上に佳子さまの幸せな結婚が待っているのだという、母親の暗黙の教えがあるような気がしている。

 最初から最後まで、「結婚ありき」で突き進んでしまった姉、小室子さんの反省があるのかもしれない。佳子さまには、彼女らしい結婚や結婚後の生活に対する考え方があるはずだ。それを私は期待している。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など