流暢といえるレベルではない?

 その一方で、宮内庁関係者は佳子さまの英語での会話力について眉をひそめる。

「皇族の方々は、英会話を身につけるよう教育を受けられますから、佳子さまもひととおり、英語での会話は可能でいらっしゃいます。しかし、幼少期から勉強があまりお好きではない印象で……。そうした結果からか、流暢といえるレベルではないとの評判です」

 しかし、皇室制度に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次名誉教授によると、皇族に英語力が求められるようになったのは最近のことだそう。

「そもそも、皇族が英語を話せるかはあまり重要ではありません。かつて、天皇、皇后両陛下が外国の要人と会見をする際、通訳官が常にそばにおりました。そのほうが、会話内容も記録に残り、理解の間違いも少なくなるためです。

 しかし現在は雅子さまや高円宮家の久子さまなど、語学が堪能な女性皇族が活躍されています。そうした流れから、語学力が皇族の強みのひとつになってしまったようです。佳子さまの英語力が向上した可能性はあるでしょうが、雅子さまや久子さまのレベルとは大きな違いがあるでしょう」

 それでも、通訳なしで海外の要人との接見に臨まれる理由について、前出の河西准教授はこう説明する。

佳子さまは、あまり公務をなさらず、非難された時期もありましたが、最近はお姉さまの公務を受け継いで、一生懸命公務にいそしんでおられます。英語の克服はひとえに皇族としての自覚が芽生えたからではないでしょうか」

 英語力向上に励まれる背景には“ある思惑”もあるのかもしれない。

「姉の眞子さんは、小室圭さんとの結婚後、アメリカに渡りました。佳子さまもその影響を受けて“結婚後は海外で生活したい”と考えておられても不思議ではありません。眞子さんは大学の卒業論文を英語で執筆するなど、皇室を離れる前から英語は堪能だった印象です。佳子さまの英語が急に上達したのは、そんな眞子さんのように“皇室を離れる前に英語をマスターしておきたい”という思惑がおありなのかもしれません」

 英語力向上は、ひとりの女性として見据える“未来予想図”実現への伏線か─。

小田部雄次 静岡福祉大学名誉教授。日本近現代皇室史を専門とし、『皇室と学問 昭和天皇の粘菌学から秋篠宮の鳥学まで』など著書多数
河西秀哉 名古屋大学大学院人文学研究科准教授。象徴天皇制を専門とし、『近代天皇制から象徴天皇制へ―「象徴」への道程』など著書多数