歯ぎしり予防のマッサージ

 また、就寝中のぎしりは、強い力でを削っていくという。

「人間のかむ力は、普段の食事では10~20kgの強さ。それが、就寝中のぎしりではフルパワーのかむ力が発揮されてしまうといわれていて、自分の体重と同じくらいの圧をにかけているんです」

 そんなぎしりを放っておくと、の表面がすり減ってしまうことで力をうまく受け止められなくなり、の付け根がダメージを負い知覚過敏などの症状も出てくる。

「寝て起きたときに顎が疲れている人は、ぎしりによる顎関節へのダメージが原因の場合が多く、要注意です」

 自分がぎしりをしているのか、自宅で簡単にできるチェック法があるという。

「アイスクリームを食べた後に残る『木の棒』でセルフチェックができます。左右片側ずつ奥に棒を挟んで、かみ跡が残るくらい強くかんでください。

 その際に、顎のあたりに痛みが出たり、右側はかみにくいな……など違和感を覚えたら、ぎしりで茎、顎がダメージを受けている証拠です」

右図の★が「下関」という頬のくぼみにある、歯や歯茎の痛みを緩和するツボ。左図の★が、歯を食いしばるときに出っ張る部分の、同じく痛みを軽減させるツボの「頬車」
右図の★が「下関」という頬のくぼみにある、歯や歯茎の痛みを緩和するツボ。左図の★が、歯を食いしばるときに出っ張る部分の、同じく痛みを軽減させるツボの「頬車」
【画像】歯ぎしり予防に効くツボ「下関」と「頰車」を図解

 ぎしりの予防に効き、ダメージを受けた顎の疲れをとるマッサージがあるそう。

「『下関(げかん)』という耳たぶの付け根から指4本あけたくらいの位置にある頬のくぼみと、奥をかんだときに一番出っ張る下顎の骨の頂点にある『頬車(きょうしゃ)』というツボを親指で押し込んで刺激するマッサージがおすすめ。

 ぎしりによる筋疲労が出ている場合は、少し強く押しただけでも、痛みを感じるはず。マッサージをするごとにイタ気持ちいいくらいに変化すれば、痛みがほぐれ、ぎしりの予防にもつながります」

 セルフケアも大事だが、ぎしりが長く続いている人は、手遅れになる前にまず科医の受診を!