がん予防に詳しい医師がいるところで
がん検診は自治体のものであれば補助金が出るが、リスク検査の場合は自由診療となり、保険が使えない。そのため高額なものも。
「日本の保険診療は『病気を治す』ための医療を対象にしています。そのため病気以前の予防のためには使えないのです。これからさらに高齢社会になることを考えても、もっと予防医学に力を入れるべきと思うのですが……」
自由診療のため、医療機関によって同じ種類の検査でも費用が異なる場合がある。また、検査の価格と精度とは比例しないので、高い検査ほどいいということでもないとか。
「検査方法以上に大事なのは、がん予防に詳しい医師がいる医療機関で検査を受けることです。自宅で検体を採取して送るという検査方法もありますが、あまりおすすめしません。それで高リスクという判定が出ても自分ではどうしたらいいかわからず、混乱してしまうことも。
また、それを持って普通の医療機関を受診した場合、医師が予防医学やリスク検査に詳しくないと、『がんになっているわけではないのだから、心配いりません』で終わってしまう可能性もあります」
リスク検査の最大のメリットは、「がんにならないための対策ができる」という点。
「リスクがあっても必ずがんになるとは限りません。予防医学に詳しい医師なら、そこからがんにならないためのアドバイスや免疫を向上させる治療を提供することができます。実践後に再検査をすると、リスクが劇的に下がっていることも多く、患者さんは健康維持へのモチベーションがさらにアップします」
予防医学に強い医療機関を見つけるには、「日本先制臨床医学会」のホームページが参考になる。