社内に残る“バブル思考”

 しかし、これにはさらに前科がある。

「田中将大投手がニューヨーク・ヤンキースに所属していたとき、フジは“田中選手の自宅はトランプタワー”と報じています。それも一度ではなく二度も。しかも彼はそこに住んでおらず、事実でも何でもなかった」

 2つを天秤にかけ、片方を優先するのは過去にも……。

「'97年に『ダウンタウンのごっつええ感じ』が急きょ打ち切りとなったのは、同番組の放送を中止し、日本シリーズの優勝が決定する可能性のある試合の放送を強行したため。これに松本人志さんがキレて、番組終了となった」

満面の笑みから一転、険しい表情を向ける大谷翔平(フジテレビの中継より)
満面の笑みから一転、険しい表情を向ける大谷翔平(フジテレビの中継より)
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 繰り返される炎上はフジの社風の問題か。元社員は次のように話す。

「最近の炎上や似たような前科を見れば、フジは常に他者に対するリスペクトがない。数字が見込めると大谷選手のプライバシーを侵害、その一方で得意げに祝福に向かう。厚顔無恥極まりない。メジャーとNPB、そして『ごっつ』の打ち切りにしても、両者に対し、真摯に説明すればもう少し違った結果になったかもしれないのにそれを怠る。20代などの最若手は別として、上世代の認識は今でも“俺たちメディア様”みたいなバブルのような思考。他者や他社に対してだけでなく、社内もそう。新人に対しては“面白くしてやってるのに、何が悪い(笑)”と思ってますよ、炎上した今でも」

 炎上しなけりゃフジじゃない─?