証明は難しい?
相手が既婚者であることを“知らなかった”と証明するのは難しいのではないか?
「裁判では、2人の関係性や周辺情報から“知らなかった”という内心のことを、客観的な事実から“本当に知れなかったのかどうか”を争います。例えば、高収入の男性が別宅を持っていて、そこに招かれた女性が“ここが生活の拠点だ”と勘違いしていた。
なおかつ、やりとりしたメッセージの履歴で“独身だ”という記載があり、会う日時などにも不審な点がなかったのなら、これは気が付けなくてしょうがない、となる可能性があります。一方、いくら不審な点がなくても、相手が著名な人で、少し調べれば結婚されていて子どももいるとわかる場合などは“知らなかった”とする主張は通らないでしょう」
男性が妻とは離婚協議中であるとも報じられている。この点については、
「離婚協議が進んでいて、現在は財産分与の条件の調整などを話し合っている場合だと、婚姻関係が破たんしているとみなされ、不倫自体に問題がないという話になる可能性もあります。こうなると損害賠償の請求は難しいでしょう。
他方で“片方が離婚はしたくない”と話し合いをしている段階ならば、婚姻関係が破たんしているとは確定していない状況になり、いろいろと悪い影響が出てしまうことはありえます」
損害賠償を請求するハードルは高そうだが、不倫をされた“サレ妻”としては許せないところもあるはず。
「パートナーの不貞行為から離婚を前提としたご相談を受けることは当然ありますが、婚姻関係を継続したまま“話し合っていきたい”とのご依頼を受けることも多いのです」