“腸漏れ”の原因は
必要な栄養素が吸収されない上に、有害な物質まで入ってくるのだから、腸漏れが健康に与える影響は大きい。
「身体を構成する約60兆個の細胞は、タンパク質を材料に絶えずつくり替えられています。腸漏れがあると、その材料が不足。細胞の新陳代謝が正常に行われなくなり、内臓の機能低下、貧血、肌あれや髪のパサつきなど、さまざまな部位に不調が起こりやすくなります」(秋山先生)
腸漏れを起こした腸を内視鏡検査で診ると、未消化の食べ物がベットリ張りついていることも珍しくないそう。
「アレルギーの原因物質やウイルスなどが入り込み、体内のあちこちでも炎症が発生。頭痛や腹痛、だるさ、疲労感など不快な症状を招きやすくなります」(秋山先生)
そもそも健康だった腸が、腸漏れを起こすのはなぜ?
「その原因は主に2つ。1つ目がタンパク質不足で、細胞の材料が不足することによって、腸粘膜の細胞の新陳代謝がスムーズに行われなくなり、細胞間にすき間が生じます。2つ目が腸内環境の悪化。悪玉菌が増えると、腸粘膜が傷つき炎症が起こりやすくなるのです。逆にいうと、この2つの原因にアプローチすることで、腸漏れはよくなります」(平島先生)
平島先生と秋山先生は、研究データをもとに腸漏れを改善する方法を自分自身で実践して検証。多くの患者さんにもそれらを試してもらった。
「その結果、まず〈漏れない腸〉づくりを目指し、その後にタンパク質摂取を心がけると、腸漏れが改善しやすくなることがわかりました」(秋山先生)