炭水化物と食物繊維

 ここでは取り入れやすい4つの方法を紹介。

(1)《炭水化物は適量》がベスト

「一般的にうどんやご飯は消化がいいと思われていますが、私たちが内視鏡検査で見てきた限り、胃から小腸に移動するのにうどんは5~6時間、米やパンは早くて4時間ほどかかります。このように消化に時間がかかる炭水化物を1日3でとりすぎると、消化吸収が終わらず消化管が疲弊して、腸漏れが起こりやすくなります」(平島先生)

 とはいえ、極端な糖質制限は体調を崩すおそれがありNG。

「炭水化物の1日の最低必要量は、1日当たり約100g。ご飯でいうと、茶碗2杯程度となります。活動量や体調に合わせてこの分量に茶碗1杯分をプラスするなどして、糖質の摂取量を調整するといいでしょう」(平島先生)

(2) 2種類の食物繊維をとる

「善玉菌には腸漏れを改善し、タンパク質の吸収をよくする働きがあります。そのエサとなるのが食物繊維食物繊維には2種類あり、善玉菌のエサとなるのは〈水溶性食物繊維〉ですが、もう1種類の〈不溶性食物繊維〉には便の量を増やして排便を促す働きがあり、どちらも腸の健康に必要。多くの人は水溶性食物繊維が不足ぎみなので、特に意識してとることをおすすめします」(秋山先生)

 食物繊維をバランスよく含む品は、上の表をチェック。

「ちなみに炭水化物もとり方を工夫するだけで、食物繊維と同様の効果が期待できる品に早変わりします。その工夫とは冷ますこと。ご飯や麺を冷やすと〈レジスタントスターチ〉という成分が増えますが、これには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の特徴があり、善玉菌のエサとなり、便のカサを増して便通を促してくれます。ですから、私たちは2人とも〈冷やごはん派〉です」(秋山先生)