頼もしいビタミンも
(3) 小麦&乳製品を控える
「タンパク質摂取は大事ですが、中には腸漏れを招きやすいタンパク質もあります。それが小麦粉に含まれる〈小麦グルテン〉と乳製品に含まれる〈カゼイン〉。小麦グルテンには粘りと弾力があり、腸にベタベタと張りつき炎症を誘発します。カゼインも未消化になりやすく、腸漏れの原因に。これらを毎日のようにとっているなら、一度やめてみて、体調の変化を観察するといいでしょう」(平島先生)
疲労感がとれる、胃もたれしなくなるなどの変化があれば、腸に悪影響を及ぼしていた可能性大。今後はできるだけ控えることをおすすめ。
(4) ビタミンDをとる
「腸粘膜の細胞がしっかり結合していれば、腸漏れは起こりません。この細胞間の結合を強化してくれる頼もしい栄養素がビタミンD。卵、マグロ・鮭など魚類、干ししいたけや乾燥きくらげなどに多く含まれるので、意識してとりましょう」(秋山先生)
この4つを実践した結果、便通がよくなったりおならが臭くなくなったりしたら、腸漏れが改善されたサイン。栄養素が正常に吸収される腸を取り戻したら、次は効率よいタンパク質摂取を心がけたい。
「身体が一度に利用できるタンパク質の量は1食当たり20~40gで、とりだめはできないといわれています。食事や間食でこまめにタンパク質を補給しましょう」(平島先生)
お話を伺ったのは──平島徹朗先生●日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医。国立佐賀大学医学部卒業後、国立がん研究センター中央病院内視鏡部などの勤務を経て、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック、福岡天神内視鏡クリニックを開設し、院長、理事長を務める。
お話を伺ったのは──秋山祖久先生●医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。長崎大学医学部卒業後、長崎大学消化器内科に入局。多くの総合病院勤務を経て、福岡天神内視鏡クリニック院長に就任。年間4000例以上の内視鏡検査を行っている。
取材・文/中西美紀