夫を亡くしたあと、写真や動画を整理するのがつらい時期もありました。亡くなった義母に似た老婦人を街で見かけて、涙が出てきたこともあります。でも、過去を振り返るより、これからできることはいくらでもある!と思ったらワクワクしてきてね

ズボラになりすぎないよう生活のメリハリは大事に

思い出のある端切れは座布団カバーに。父親の小引き出しと母親の古い足踏みミシンを置いてレトロな空間に 書籍『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(幻冬舎)より
思い出のある端切れは座布団カバーに。父親の小引き出しと母親の古い足踏みミシンを置いてレトロな空間に 書籍『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(幻冬舎)より
【写真】贅沢な日々……本田さんのおひとり様生活が素敵すぎる!

 アクティブな本田さんは移住してから、ボードに乗ってパドルで漕ぐ水上スポーツ「SUP」やボディボード、ビーチヨガなどに挑戦してきた。畑を借りて家庭菜園もやっていたが、そんなスケジュールのやりくりも自由に。

今は畑が遠くなってお休みしていますが、家庭菜園はいいですよね。先輩方が何でも教えてくださるし、最近はお高い野菜も、食べきれないほど採れて、『ぜいたくだなあ』と思います

 時間の制約がない分、今はゆるやかな時間割をつくって暮らす。朝ごはんの後は30分以上散歩へ。昼はイラストレーターとしての仕事をこなし、5時を過ぎたらひとり呑みタイムが解禁だ。

晩酌しながら『ああいい一日だった』と日々過ごせるのが幸せ。ブログがうまくアップできなかったり、部屋で転んだり、ちょっとした事件は日々あるけど、うまくいったらガッツポーズをして常にポジティブに暮らしています(笑)

 ひとりだからといいかげんにならないよう、朝食を作ってはインスタグラムにアップするのも習慣に。

人に見せるとなると、彩りや盛り付けを考えますからね。娘や息子への生存確認にもなっているかな。自由になったからこそ、ズボラになりすぎないよう生活のメリハリは大事にしています

 そんな楽しみも健康であってこそ。自治体が主催する体操教室にも通い、散歩以外にもよく歩くように心がけている。そのためにも食品は買いだめはせず、まめに買いに出るようにしている。

ひとりになると、当然不安もあります。でも落ち込んだら、無心になってチクチク縫い物をしたり、ワインを飲んでとにかく寝る!とかね。結論が出ない問題で思い悩むと疲れちゃうから。時間にまかせて、リセットしています

 決して「ひとり暮らし=さみしい」だけではない。人生のお楽しみはまだまだこれから。本田さんの発信には、そんな気持ちになれるヒントがいっぱいだ。

本田流 元気に人生を楽しむヒント

・朝食をインスタグラムでシェア
・一日1回は、おしゃれして外出
・凹んだら、よく寝てリセット!

取材・文/志賀桂子 

1955年、長野県生まれ。イラストレーター。ブログやインスタグラムで、イラストや日々の暮らしを発信中。著書に『おしゃれと暮らしのレシピ』のほか、最新刊に『ワクワクする!67歳からのはじめての一人暮らし』(幻冬舎)がある。