見事1位は小池百合子

 2位は「嫌いな」で4位になった山本太郎氏。いずれにせよ注目度が高いということが証明された。「今の腐った自民党政治に風穴をあけてくれる可能性がある人物だと思う」(60歳・愛知県・男性)といった期待も多く、賛否渦巻くタレント政治家であることは間違いない。

「典型的なポピュリストだが、演説は抜群にうまい。だからこそ、好き嫌いが分かれるのも納得」と八幡さんが語るように、エリート層を批判し、民衆へ直接訴える姿勢は、良くも悪くもクセがすごい。とはいえ、先の総選挙では議席数を9まで増加。弱小政党を着実に大きくしている手腕は認めざるをえない。

 たとえタレントであっても、議員として実績や経験を積めば一定の評価が集まることが示唆されたわけだが、見事1位に選ばれた小池百合子氏も例に漏れない。

「賛否両論はあるが、コロナ禍の対策や子育て世帯への支援など意志を持って取り組んでいる姿勢が見える。都政に真摯に取り組んでいて、一定の結果は残していると思う」(46歳・東京都・女性)

 今回の総選挙では、元タレントの森下千里氏が自民党から比例代表東北ブロックで立候補し、初当選を果たした。資質を疑う声もあるが、数年後、再びこうしたランキングがあったとき「好きな」に入っていることを期待したい。最後に八幡さんが、こんな提言を。

「今後はテレビ以外にもSNSやYouTubeで人気を集めた人が立候補することもありえる。知名度があればタレント化してしまうともいえるため、タレント“風”政治家も増えてくるのではないか。タレント、アスリート、キャスター、ジャーナリスト、俳優……というように細分化していることもあり、タレント政治家として十把一絡げに見なすのではなく、タイプをいくつかに分けて論じることも大事でしょう」

 はたして、来夏に行われる参議院選ではどのように明暗が分かれるのか。

※インターネットアンケートサイト「Freeasy」にて10月下旬、全国の30歳以上70歳以下の男女500人を対象に選択方式で実施

八幡和郎●評論家、歴史作家、国士舘大学大学院客員教授。1951年、滋賀県大津市出身。東京大学法学部を経て1975年に通商産業省入省。入省後、官費留学生としてフランス国立行政学院(ENA)留学。著書多数。最新刊は『紫式部と武将たちの「京都」』(光文社知恵の森文庫)


取材・文/我妻弘崇