勘違いされているコラーゲンの効果

 また、老けないためにはカルシウムの摂取も必要不可欠。骨の老化によって起こる骨粗しょう症は加齢に伴う骨量の減少が引き金になるのと、女性は閉経後、ホルモンバランスの影響などで発症する例も増えている。予防のためにもカルシウムの摂取が有効だが、「カルシウムだけとっていれば安心」というのは間違い。

カルシウムを十分とっていても、身体に吸収されなければ骨は弱くなり、動脈硬化を招いたりします。そこで必要なのがビタミンD。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、骨となるのを助ける働きをします。

 ですからカルシウムだけをとるのではなく、ビタミンDが豊富なサバやイワシなどの魚、キクラゲやマイタケなどのキノコ類を一緒に食べるといいでしょう」

 そのほか、女性に人気のコラーゲンについて、コラーゲン鍋などを食べると「がぷりぷりになる」などともてはやされているが、これは事実に反するとのこと。

「コラーゲンを食べても、劇的な美効果は望めません。食べ物として身体の中に入ったコラーゲンは、消化の過程でアミノ酸に分解されてしまうからです。美との関係性が薄いのは栄養学の世界では常識。コラーゲンはタンパク質の一種なので、食べて悪いわけではありません。ただ過度な期待は持たないようにしてください」

 また、健康油として知られる亜麻仁油やエゴマ油についても取り扱いに警鐘を鳴らす。

「どちらの油も身体にいいのは確かですが、使い方を間違えるとかえって悪影響を及ぼします。というのも、亜麻仁油とエゴマ油はとても酸化しやすく、酸化すると老化を早める過酸化脂質になるので身体によくありません。酸化を防ぐには加熱調理では使用せず、サラダなどにかけていただくこと。空気にふれると酸化するため、早く使い切ることも大切です」 

 では、どんな食品を食べれば見た目も身体もアンチエイジングできるのか。森さんが「アンチエイジング食材のスーパースター」と太鼓判を押し、筆頭に挙げるのはおなじみのあの食品だ。