球団史上初の3年連続最下位でシーズンを終えた、立浪和義元監督が辞任したばかりの『中日ドラゴンズ』だ。しかしながら来シーズンの指揮をとる井上一樹新監督(53)は、
「会社と話したわけではないが、オレの中ではちょっと薄いかな」
早々に“撤退”を匂わせたのに対し、中日OBで元楽天監督の田尾安志(70)は12月2日に自身のYouTubeチャンネルで、
「中日の井上監督はちょっと消極的ということなんですが、今のチーム事情からすると来シーズンやってくれるんじゃないかなという期待値も高いので。きてくれるのであれば、ドラゴンズは獲る方向に向いた方がいいのではないかと思います」
球団に獲得を進言しつつ、田中にも「お金じゃないというところを見ててほしい」と中日入団を勧めている。
1500万円の格安契約で中日入り
「かつて田中と同じように、帰国後に3年12億円の大型契約でホークスに迎えられるも、たび重なる怪我もあって満足に投げられずに退団した松坂大輔。現役続行を表明するも、引退危機に立たされた彼を12月下旬、最後の最後に拾い上げたのが中日でした。
翌2018年1月、入団テストを受けて中日入りした松坂に用意された年俸は1500万円。戦力としてというよりも、話題作りや経済効果を重視しした補強とも見做され、実際、シーズン開幕前にはグッズ販売で“元”がとれたと言います」(前出・ライター、以下同)
ところが入団後、松坂はいい意味で“期待を裏切る”。移籍後のシーズンで6勝を挙げると「カムバック賞」を獲得し、オフには8000万円の昇給を勝ち取る。背番号も「99」から「18」に変更されたのだった。
「プライドをかなぐり捨てて現役にこだわった松坂は、最後にすがった中日で実力で復活を遂げました。マー君もお金にこだわっているわけではないでしょうが、“オファーを待つ”という受け身ではなく、自分から“どんな条件でも投げたい”とアピールするくらいの気概を見せないといけないのかも。
10月下旬に亡くなった元オーナー・白井文吾(享年96)さんがご健在だったなら、今ごろは“鶴の一声”で獲得に動いていたと思います。来シーズンへの巻き返しのためにも、まずはファンを喜ばせるような明るい話題がほしいところですね」
このまま移籍先が見つからなければ“引退危機”も囁かれる田中だが、プライドを捨てて現役にしがみつくのか、それともーー。