Q3.損害賠償を請求される場合、請求の内容や金額の相場は?
ペット不可物件でねこを飼っていることがバレた場合、賠償の内容としてはどのようなものが考えられるのだろうか。
「金額の相場を算出することは難しいですが、壁紙や柱に爪とぎの傷跡がついてしまった、おしっこがクロスや床材に浸透していたなど、物件を物理的に損なってしまった場合は多額の修繕費を請求される可能性があります。
また、ペットの鳴き声や臭いが原因で近隣の入居者からクレームがでたり、近隣の入居者が退去してしまったりした場合、損害賠償を請求されたり、退去した部屋分の空室補填を請求されたという例もあります」
Q4.アレルギーによる健康被害、治療費負担や慰謝料は?
近隣の住民にねこアレルギーの人がいて、「こっそり飼い」のために健康被害が……、という事態も考えられる。
「動物アレルギーの住人がいる場合、どんなに迷惑をかけないように気をつけていても、服などに付着した毛などから症状が出る可能性も。相手の治療費負担を求められたり、慰謝料などを請求されたりする可能性は十分にあり得ます。
実際にかかった治療費の額や、どのくらいの損害が出たかにより金額が変わるため、相場を算出するのは難しいですね」
Q5.ペット不可物件の場合でも大家さんと交渉はできる?
どうしても今住んでいる物件でねこを飼いたいという場合、大家さんや管理会社と交渉をすることは可能だろうか。
「ペット不可というのは、物件のオーナーの意向を反映した結果ですから、交渉をしてみること自体は可能です。
誠実に飼いたいという気持ちを伝えることや、敷金や家賃、退去時の修繕費の増額など、物件でペットを飼うための相応の負担を申し出るといった内容で交渉してみるというパターンがあるようですね」
お話を聞いたのは……正木 絢生弁護士●弁護士法人ユア・エース代表。BAYFM『ゆっきーのCan Can do it!』にレギュラー出演するなどメディア出演も多数。YouTube やTikTok の「マサッキー弁護士チャンネル」にて、法律やお金のことをわかりやすく解説、配信中。