12月10日、『女芸人No.1決定戦 THE W 2024』(日本テレビ系)が放送され、現在フリーで活動するにぼしいわしが新女王に輝いた。
吉本以外の芸人で賞レースで強くなった理由
フリー芸人が大金星をあげたことを受け、11日に『東スポWEB』が配信した『「THE W」優勝にぼしいわしはフリー R-1、KOCに続き吉本“無冠”の危機』という記事が反響を呼んでいる。
「記事でも指摘されているように今年は『R-1グランプリ』がトゥインクル・コーポレーション所属の街裏ぴんく。『キングオブコント』がASH&Dコーポレーション所属のラブレターズ。そして『THE W』がフリーと、大手所属ですらない芸人の優勝が続いているんです。このまま最大手である吉本芸人が“無冠”で終われば、業界にとって大きな事件ですよ」(制作会社関係者)
まだ全国放送ではなかった『R-1グランプリ』の第1回大会では当時フリーで活動していた、だいたひかる(その後、吉本へ移籍)が優勝した過去があるものの、フリーでもビッグチャンスを掴めるということが改めて証明された。
お笑いライターによると、「『M-1』は優勝どころか最終決戦に吉本芸人がゼロになる可能性が高い」と指摘する。
「すでに発表されている決勝進出9組中4組が吉本以外の事務所所属で、昨年の王者である令和ロマン以外の吉本勢は初決勝というフレッシュな顔ぶれです。一方、吉本以外の芸人は4年連続出場の真空ジェシカ、昨年準優勝だったヤーレンズ、2度目の決勝進出でバラエティーでお馴染みのトム・ブラウン。初出場ながらブレイク中のママタルトと、知名度と経験値では吉本勢を上回っています」(同・お笑いライター)
予選でも吉本以外の芸人が特にウケていたという。
「準決勝の出来栄えだけなら真空ジェシカが頭1つ飛び抜けていましたね。それに続いていたのがヤーレンズで、爆発力ならトム・ブラウンという印象を受けました。ただ昨年の王者である令和ロマンは、昨年もネタを4本用意。出番の順番によって披露するネタを変える作戦だったと明かしていたので、今年も決勝用にネタを温存していると思いますが、最終決戦に進めない可能性は十分に考えられます」(同・お笑いライター)
エンタメ事情に詳しい大塚ナギサさんは吉本以外の芸人が躍進している理由を「サンドウィッチマンの優勝が大きかった」と分析する。
「小さな事務所所属の無名芸人でも、面白ければ優勝できるということが証明されましたからね。『M-1』で優勝する前から『エンタの神様』などネタ番組には定期的に出演していたので、吉本以外の芸人やテレビ関係者からはすでに評価されていたものの、2人の優勝で吉本以外の事務所の門を叩く芸人志望者が増えた印象です」
また「芸人の間では事務所の垣根はとっくになくなっている」と続ける。
「令和ロマンとヤーレンズはツーマンライブを定期的に行い、切磋琢磨してきました。『THE W』女王のにぼしいわしも、同じく女王で大阪NSCの1期後輩のオダウエダと一緒にライブをやっていましたからね。事務所を移籍する芸人も少なくありませんし、芸人同士は事務所の垣根を超えてお互いを高め合っています。“吉本でないと賞レースで勝てない”という考えはすでに過去のものですよ」
準決勝でニューヨークの完コピネタを披露して話題になったラパルフェが、'21年の予選で「『M-1』の結果は、もう吉本がすでに決めてある!」と主催者いじりをして波紋を呼んだが、吉本いじりネタが成立しなくなる日も近そうだ。