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ー 死を意識……“内臓にできた腫瘍”の破裂 ー 「死ぬしかないと思いました」 ー こんな病気があることを多くの人に知ってもらえば

 芸能人自らが経験したつらい闘病生活。それらの声は同じ病と闘う人だけでなくさまざまな病気に苦しむ人たちを勇気づけている。2024年12月、多くの人に読まれた芸能人の闘病記事3本をお届け。

中江有里、「死を覚悟した」という腎血管筋脂肪腫の破裂で緊急手術を受けた様子と「更年期症状」のリアルを語る

中江有里
中江有里

 自宅で、倒れ込むほどの痛みに襲われたら……。俳優で作家の中江さんは、昨年、腎臓にできた腫瘍が突然破裂し緊急手術を受けた。誰にでもできる可能性があり、破裂すると命に関わることもあるというこの腫瘍。事前に防ぐことはできるのか、またその治療、回復に至った経緯についてお話を伺った。

「1秒前までは何ともなかったのに、突然、腹部の激しい痛みに襲われて、『私、このまま死んじゃうんじゃないかな』と思いました」

死を意識……“内臓にできた腫瘍”の破裂

 そう自身の経験を話すのは、俳優、作家、歌手として活躍中の中江有里さん。実は中江さん、40歳のときに受けた人間ドックをきっかけに、腎臓に良性の腫瘍が見つかっている。

「『腎血管筋脂肪腫』という病名です。その名のとおり、血管や筋肉、脂肪でできている腫瘍で、それ自体は特に悪さをするものではないんですね。主治医からは、一番のリスクは破裂することで、腫瘍の大きさが4センチを超えるとそのリスクが高まると説明を受けました」

 40歳の時点で中江さんの腎血管筋脂肪腫は5センチ。そのため、カテーテルを使った処置を受けたそうだ。

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“体操のお兄さん”こと佐藤弘道、下半身麻痺から3か月後の番組収録で起きた感動「NHKスタッフは号泣」

入院したてのころの佐藤弘道
入院したてのころの佐藤弘道

 今年6月、タレントの佐藤弘道さんが脊髄梗塞で下半身まひになったというニュースは、お茶の間に衝撃を与えた。

「死ぬしかないと思いました」

 佐藤さんといえば『おかあさんといっしょ』(NHK Eテレ)の「第10代体操のお兄さん」として知られ、番組卒業後は、タレント活動とともに体操インストラクターとしても全国を駆け回っていた。

 元気の代名詞だった彼が突然、下半身まひになってしまったということは、周囲も本人も当初受け止めることはできなかった。

「病名がわかって下半身まひを告げられたときは、家族に一生迷惑をかけて生きるなんてできない。死ぬしかないと思いました」と佐藤さんは振り返る。

 脊髄梗塞は脊髄の血管が詰まることで神経が機能しなくなり、下半身まひ、排泄障害などの後遺症が残る病気だ。発症は10万人に1人というまれな疾患で、動脈硬化や大動脈解離などが原因で発症する。

 高血圧や糖尿病、動脈硬化、心疾患などの持病がある人は発症リスクが高くなるが、佐藤さんに持病はなかった。

「毎年、健康診断を受けていますが特に異常はなし。脊髄梗塞を発症したあとの検査でも血管や脳に異常はなく、原因はわかっていません」

 最初に異変を感じたのは背中の痛みだった。

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熊切あさ美、『クインケ浮腫』で腫れが引かず「人前に出られない顔に」SNSでも公開を躊躇したその症状

発症したときの痛々しい様子の熊切あさ美
発症したときの痛々しい様子の熊切あさ美

 人前で笑顔を振りまくことが仕事の人たちが、突如、病におそわれたら―。彼らが感じた衝撃、絶望、そして未来の光とは。「同じ悩みを抱える人たちに、寄り添っていきたい」。本当に強い人たちの決意は、自分だけでなく、周囲も回復に導くかのよう。彼らからのエールに耳を傾けてみませんか。

こんな病気があることを多くの人に知ってもらえば

 慢性的な疾患で仕事に影響が出てしまったのはタレントの熊切あさ美さんだ。

「収録や撮影をしているのにときどきまぶたが塞がるくらい目が腫れて、人前に出られない顔になってしまうんです」

 40代でも現役でグラビア界に君臨し、撮影の仕事も多いが、目や唇が大きく腫れるとメイクで隠すにも限界がある。

「前触れがなく、突然腫れるので困っていました。最初に症状が出たのは28歳ぐらいのときなので、15年以上もこの病気と付き合っています。最初は目が腫れて、そのあと、唇も腫れるようになって、そのときはリップや歯磨き粉が原因だと言われました。疲れやストレスがたまることが原因のじんましんと診断されましたが、仕事が忙しくなると疲れやストレスに気づかないことも多いんですよね」

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