佳子さまの活動の軌跡
昨年末の30歳の誕生日に際して宮内庁皇嗣職は、このような佳子さまの気持ちとともに、昨年一年間の活動の軌跡を発表した。同時に、佳子さまの最新の写真と映像も紹介している。
赤の三連イヤリングを着け、赤のコート、グレーのセーターとパンツ姿の佳子さまが、12月上旬の晴れた日に赤坂御用地を散策したときのものだ。
《赤色や黄色に色づいた木々の下をお歩きになり、落ち葉を拾い、眺められました。場面が変わり、池のほとりで池の中を覗かれた後、広い芝生の上を歩かれました。再び場面が変わり、茶園にて、丸く刈り込まれたお茶の木々の間を歩かれ、風景をご覧になりました。そして、頭上の木の枝に手を触れながら、その下をくぐられました。その後、こちらに背を向け、後ろに広がる芝生と、太陽の光に照らされた色とりどりの木々を眺められました》(宮内庁公式サイトより)
SNS時代を強く意識してなのか、皇嗣職の説明は丁寧、親切で、私の周囲ではとても評判がいい。
《茶園にて、お茶の木の間を歩かれ、常緑広葉樹のオガタマノキの枝に触れられるお姿》《藤棚とお茶の木を背景に、こちらをご覧になってにっこりされるお姿》《ピンク色のサザンカが咲く横で、こちらをご覧になるお姿》……。
このように、写真にはそれぞれ詳しい説明がつけられている。佳子さまは、どのカットも美しく、カメラマンも思わず力が入ってしまい、納得いくまで写真を撮り続けたに違いない。プロのモデルのような佳子さまと赤坂御用地の自然が溶け合って、名画のような趣がある。「お見合い写真?」と、思わず勘違いをしてしまいそうだ。
〈元日や一系の天子不二の山〉
これは、内藤鳴雪(1847―1926年)の有名な俳句である。富士山と万世一系の天皇陛下は、世界に比類なきものであり、この国にはなくてはならないものであるという意味だ。新年早々から、天皇、皇后両陛下や秋篠宮ご夫妻はもちろん、愛子さまや佳子さまたち若い皇族が仕事に励む姿を見ると、心に安らぎを覚える。私たち国民が一つにまとまっている、こうした幸せや安定感などを感じないだろうか。
かつて天皇陛下は「国民と苦楽を共にしながら、国民の幸せを願い、象徴とはどうあるべきか、その望ましいあり方を求め続ける」と話された。今年も佳子さまの活躍に期待したい。
<文/江森敬治>