目次
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ー 活動内容は「ポスター」の掲示や配布がメイン
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ー 予算は0円〜100万円まで自治体によりまちまち ー 大きく異なる各自治体の活動内容と、温度感
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ー 受動喫煙防止キャンペーンの現在の意義は?

 

 駅に何気なく貼ってあった『九都県市受動喫煙防止キャンペーン』のポスター。スモーカーに眉をひそめるモデルの女性の表情がリアルなのでつい見入ってしまった。

 ネットで調べてみると、毎年「がん征圧月間」とされている9月から11月までの期間に行われている健康増進キャンペーンのようだ。2020年4月から施行された受動喫煙防止法に関連して行われているのだろうか。

「九都市」とは、東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県と、横浜市・川崎市・千葉市・さいたま市・相模原市だという。横浜市と川崎市、相模原市は神奈川県であり、実質関東地方の1都+3県で開催されているようだ。これらのキャンペーンを行う予算は、もちろん税金から出ているのであろう。

 この九都県市の理由や、ポスター掲示以外の活動はあるのだろうか。また、効果測定はどのように行っているのだろうか? 今回は、主要な都県市である「東京都」「千葉県」「埼玉県」「神奈川県」「横浜市」の5つの自治体に、それぞれが行っている活動や予算規模について取材を行った。

活動内容は「ポスター」の掲示や配布がメイン

  まず、この活動について各自治体に問い合わせた結果、このキャンペーンは平成21年(2009年)から行われており、実に15年以上もやっているキャンペーンであることがわかった。相模原市は翌年の平成22年(2010年)から参加し、現在の九都県市という形になったようだ。

 キャンペーンは、毎年9月の「がん征圧月間」からスタートし、11月までの3ヶ月間行われる。「九都県市共通のロゴマーク」を使用し、主にポスターや電子掲示物の制作・掲示や配布を行っているという。ポスターデザインは共通だが、それをどのように配布するかは、あくまで各自治体によって違うようだ。

 また、「幹事」を持ち回りで行っており、令和6年度に関しては、神奈川県が幹事を行っているという。この「幹事」については、活動の呼びかけや諸連絡をリードするポジションということで、特に活動全体の方針を決めるというものではないようだ。

 東京都以外は、県とその内包する市が両方参加している。特に神奈川県は「横浜市」「相模原市」「川崎市」を内包しているが、取り組みの棲み分けはどのように行っているのだろうか。

 神奈川県と横浜市それぞれに同様の質問を行ったところ、「具体的な手法は様々ですが、受動喫煙防止のため、県市では地域の状況に応じて取り組んでいます」という神奈川県の回答に対して、横浜市は「健康増進法に基づく事務は、政令市及び保健所設置市がそれぞれの市域の事務を担い、県はそれ以外の地域の事務を担っています」と回答した。基本的に県内の活動については把握していないようで、ふわっとした印象は否めない。