地元では目立つ存在だった。広島のオーディション番組に合格し、その後東京の大手事務所にスカウトされる。22歳で上京。特待生として、歌にダンス、演技のレッスンを1年間重ねた。しかし道は開かれず、アパレル業界に就職する。

「就職で区切りをつけたはずでした。でもどこかで自分を見つけてほしいという願望が消えなくて。仕事に身が入ってなかったんでしょうね。職場の人から『20年後、何をしてるか考えたことある?』と言われて、20年先まで続けるのはファッションではない、メイクだと思った。それで『店を辞めます』と言いました」

ニキビを隠すメイク動画がYouTubeで大バズり!

 フリーランスとしてヘアメイクの仕事をスタート。YouTubeを始めたのもそのころで、当初は自身を売り込むための手段の一つだったと話す。

「クライアントさんにメイクスキルを見てもらうために動画を上げたんです。資料の一環という感じでした」

 ちょうどコロナ禍に入るタイミングで、在宅時間ができ、動画の更新頻度も増えた。そんななか、バズりを体験する。

「ニキビをカバーするメイク法をアップしたら、すごい反響を呼んで。上京したばかりのころ、顔中ニキビだらけになった時期があって、そのときのケアを公開したものでした」

すっぴんとメイク後のGYUTAE(画像は本人提供)
すっぴんとメイク後のGYUTAE(画像は本人提供)
【写真】まるで別人? “整形級メイク”前のすっぴん姿

 メイク法に始まり、ものまねメイクにコスプレメイクと、動画を出すたび注目は高まっていく。コロナ禍が明けるころには、SNSの収入が実際の仕事を大きく上回っていた。フォロワー数は右肩上がりで、一躍時の人となる。

「こんなに人生が変わるなんて。最初はユーチューバーになりたいなんて考えてもいなかったけれど、ネットってすごいですね。本当に激変です」

 動画はメイク法にとどまらず、自身の全身脱毛症から過去のいじめ、セクシュアリティまで赤裸々に告白している。これもまた大きな反響を呼んだ。