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ー 大河ドラマは夢だった
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ー 大門を出たら二度と蔦重に会えない

 

「普段、色気があるタイプとは口が裂けても言えないので(笑)」と、小芝風花

 大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』で演じているのは、蔦屋重三郎(横浜流星/以下、蔦重)に思いを寄せる幼なじみ・花の井。蔦重の『吉原細見』(※吉原のガイドブック)の売り上げに貢献すべく“伝説の花魁”瀬川の名を継いだ。

大河ドラマは夢だった

大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』毎週日曜夜8時〜(NHK総合)ほか
大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』毎週日曜夜8時〜(NHK総合)ほか

「“伝説の”ってつけないで〜って思っていました(笑)。でも大河ドラマに出ることはひとつの大きな夢でしたし、祖父母がすごく喜んでくれて。孝行ができた喜びはありましたね」

 花魁の実年齢は10代〜20代前半だという。小芝は現在27歳。

「もしかしたら、花魁の役は最後かもしれない。だから、全部思い切って出し切りたいと、いろいろ研究しました。ちょっとしたしぐさや目線などは、今までの役以上に細部まで意識して。声も低くしましたし、メイクさんもすごく考えてくださって。少しでも不安があったら、“これはやってもいいことですか?”と所作指導の先生の元へ確認に行って」

 花魁として、ひとりの女性として、複雑な感情を抱える瀬川。根底にある思いは“蔦重のため”。

「自分の思いや感情を押し殺して、犠牲にできるところはなかなかまねできることじゃないし、切なくもあるんですけど。蔦重の性格も知っているし、“結ばれるわけがない”という諦めもありながらも、少しでも彼の夢が叶うようにサポートする。身を切る仕事で、きついお客さんを引き受けて、どんどん心も身体も疲弊していく。でも、絶対に蔦重の前では疲れているそぶりを見せない。

 瀬川という大きな看板を背負って立つ姿は、すごくカッコいいなと思います」