不信任は「突きつけにくい」
斎藤知事がなぜここにきてA氏が作ったとされる私的文書の内容を晒し始めたのか、在阪テレビ局の記者によると、
「公用パソコンにあったデータについては、知事の側近だった元総務部長が県議に漏洩した疑いが濃く、百条委の報告書では“(A氏を)貶めることによって、告発文書の信頼性を毀損しようとした”と指摘されていました。立花孝志氏と同じロジックで、“そんなことをしていた人が作った告発文書は信用できない”と印象付けたいんでしょう。告発文書の大部分が事実だと認定されたにもかかわらず、この期に及んであんなことを言っているのは、万が一ですが、再び不信任案が提出され、選挙になったとき、前回同様、“自分は何も悪くない”と主張し、有権者の支持を得ようとしているのではないでしょうか」
しかし、この発言が不信任案提出の可能性を濃くした、というのは前出の地元紙記者。
「実は、報告書の素案では、元県民局長の名誉の回復と処分の撤回を求める提言が記されていました。本案で削除されましたが、それを望む県議は多い。なのに、あの発言。怒っている人は多いでしょう。
ただ県議会としては再び不信任を案を提出することには、報告書の総括は《斎藤知事は周囲の進言や意見に真摯に耳を傾ける姿勢を持つ必要があり、(中略)兵庫県のリーダーとして共感やいたわりの姿勢を持ち、透明性のある兵庫県政の確立に努めるべきである》となっています。斎藤氏がそれこそ真摯に受け止めて、あのような発言をせず、謝罪していれば問題はなかったと思います。あの会見を見て怒りを感じた人は多いでしょう。
とはいえ、県議会としては、不信任を突きつけにくいと考えています。斎藤氏は、公益通報者保護の問題やパワハラ疑惑が出た後に再選されてますからね。となると、法的拘束力はないものの、議会の意思表示として問責や辞職勧告を提案することになりますが、前回同様、知事は拒否するでしょう。『文書問題』を調査している第三者委員会の報告を待って態度を決めると言っている議員もいるので、結果次第では不信任案の提出もあるかもしれません」
前記に続き橋下氏は、こうポスト。
《権力者として失格。 斎藤さんが辞職しないのであれば、議会は不信任を突きつけろ! やっぱり兵庫県政の大混乱の根源は、斎藤さんの資質によるな。権力を乱用する権力者の典型だ》
3月11日の定例会見でも発言の撤回はなく、兵庫県が再び混乱に陥ることは避けられないようだ。