ネガティブな意見も

 一方で一部サッカーファンには、狂信的な野球ファンと同様(?)なネガティブな意見を持つ者も。

「ひと言でいえば、“強すぎる”ということでしょうか。古くはギリギリで予選突破を逃した『ドーハの悲劇』、続いてギリギリで出場権を獲得した『ジョホールバル』。そこからほぼすべての選手が国内のJリーグで戦っていた時代から、中田英寿選手を筆頭に海外リーグでの活躍。'02年の日本開催のワールドカップで初めての予選リーグ突破。ジーコ監督時代の不満。オシム監督への期待と予期せぬ監督交代劇。本田圭佑選手の躍進……。史上最強に至るまでの日本代表はサッカー後進国から弱小国、中堅国への成長と、浮き沈みが非常に多かった」

 現在、サッカー日本代表は世界ランキングで15位。ワールドカップではベスト8の壁を破ることはできていないが、9割のメンバーが海外クラブ所属で、遠藤航や伊藤洋輝など世界的に見ても、“トップオブザトップ”のクラブに所属する選手もいる。

「“もうずっと楽勝だから予選も昔と比べて面白くないな”という人は確かにいますね。“ドラマがない”と……。日本人には判官贔屓な人も少なくないので。少し前まで日本のワールドカップ予選は“ここで勝たないと……”、“ここで負けたら……”という手に汗を握らざるをえない展開、試合が多かった。現在の日本代表のワールドカップ予選は大差に次ぐ大差、連勝に次ぐ連勝。選手は強くなることを求め、ファンもそれを求めている人が多数のはず」

 盛り上がりに欠ける状況を生む、外的要因も。

「今回のバーレーン戦のようにワールドカップ最終予選は、国内で行われるホーム開催は当然、地上波中継がありましたが、国外のアウェイ開催の試合は放映がなくなった。これはサッカー人気が低いというより、放映権料の値上がり、正確には代理店による釣り上げがあり、日本のテレビ局の採算が合わなかったから」

 サッカーvs野球の“対立”の構図は続くだろうが、大谷はサッカー日本代表の予選突破をインスタグラムのストーリーズで祝福。一方、久保や堂安律はメディアの取材に対し、大谷の活躍を称賛している。

 当事者たちは皆、それぞれのスポーツを楽しんでいるのだが……。