ブラスさんは、どれだけ批判にさらされても、スタイルを変えるつもりはないと断言する。
「彼らに『私を批判するな』なんてことは言わないし、思ってもいません。嫌われるのはデメリットも大きいですが、その代わりに私は自由を手に入れている。
アンチは自分にとって心底どうでもいい存在なので、ダメージもありません。本当に傷つけたいなら、私に好かれてから『おまえなんか嫌いだ』って言えばいいんですよ。まずは私に好かれる努力をしてみては?」
嫌いなものとは距離を置くこと
また、自分に向けられた批判の声や世の中のニュースを見るにつけ「多様性という言葉にがんじがらめになっている人が多い」と感じているそう。
「今の世の中っておいしくないものが出されても“まずい”って言っちゃいけない雰囲気がありますよね。それでも私は、自分にとっておいしくないものには“まずい”と言うようにしているんです。
だって嫌いだって言わないと、ずっと私の前にまずいものが出てきちゃうでしょ。嫌いなものと適度な距離を保つためには、ハッキリ言う必要があるんです。
それぞれの意見や存在を認めたうえで、“嫌いなものは嫌い”と言える環境にならなければ、多様性の実現は難しいでしょうね」
そんななか、2024年末に話題になった「パーカーおじさん論争」では、多様性の芽吹きを感じたという。
「本当にくだらなくて面白い論争でしたよね(笑)。パーカーを着るおじさんをキモいと感じる人がいて、それに反抗するパーカーおじさんがいる。
誰も悪くないし、どちらの意見もあっていいんですよ。心底どうでもいい話題なんだけど『嫌いなものに嫌いと言っていい』という事例がひとつ増えたように思います」
くだらなさの中に、多様性のヒントが隠れていたようだ。