発信番号を自由に設定されることも

 本当に警察署から電話がかかってくることはあるが、今回、警察庁が注意喚起しているのは、警察署だと偽ってかかってくる電話。なぜ電話番号を偽ることができるのか。

「『発信者番号スプーフィング』という技術があります。コールセンターなどが顧客に電話をかける際、相手にオペレーターの番号ではなく、代表番号を表示するために使われていた技術ですが、これを悪用しているのです」(前出・犯罪ジャーナリスト、以下同)

 一部のネット電話サービスでは利用者が発信番号を自由に設定できるという。

「この技術を悪用すれば、架空の電話番号、今回でいえば“実際の警察署の番号”を表示させて発信することができます。偽装番号で“ちゃんとした機関”を装い、個人情報を入手したり、金銭を支払わせたりするわけです」

被害急増により警察庁もSNSや動画で注意喚起(警察庁のXより)
被害急増により警察庁もSNSや動画で注意喚起(警察庁のXより)
【写真】「あなたは捜査対象」と騙り…警察庁が注意喚起する電話詐欺

 防御策は……。

警察署に限りませんが、まず知らない番号に対して慎重になること。また、番号表示だけで判断しないこと。0110から着信があれば、一度無視し、まず電話番号で検索する。それが実在するのであれば、自分からかけ直して署に確認するのも手。ただ、本当に用事があるのであれば再度かかってきます。この詐欺に関しては同じ番号に何度もかけることはないでしょう。個人情報や金銭の話を警察がその電話で聞くことはありえないので、詐欺を疑うべきです」

 この“番号”に、ピンときたら(本物の)110番?