人生経験豊富なプロ40年目の選手
3位は今年、プロ生活40年を迎えたレジェンド、三浦知良(58)。
「生き方がカッコいいから」(埼玉県・57歳)、「栄光と同じくらい苦難も経験しているはず。若いときとはまた違う視点で指導してくれるのでは」(福井県・50歳)、「10代で海外へ行き、ずっと現役でいるパワーを知りたい」(岡山県・55歳)、「人生経験が豊富だからいろいろなことを教えてくれそう」(埼玉県・47歳)と、35票。プロ入り40年の今なお現役で、豊富な人生経験に期待する声が寄せられた。
「彼は自分自身の生き方を徹底して追求してきた人。心身の維持も含め、いちサッカー選手としてこの年齢までやってきたのはすごい。ただ彼が担任としてどういうふうに生徒に接するかはちょっと想像がつきにくい」と小林さん。現役最年長選手で、孤高のキングというイメージが強い。
「具体的に教えるというよりも、彼の姿を生徒が見て勝手に憧れるタイプの先生になりそう。自分の好きなことを見つけて、その目標に向かって突き進んでいけ、という教え方になる気がします」

2位はメジャーリーグ、「サンディエゴ・パドレス」のダルビッシュ有(38)。
「WBCで若手に接する姿を見て教え方がうまそうだと感じた」(青森県・45歳)、「人間的にも素晴らしい選手で、グローバルな視点も持っているので」(千葉県・59歳)、「プレー以外でもいろいろな出来事を経て人間として成熟していると感じる」(神奈川県・42歳)と、41票獲得。
「ダルビッシュはきっと素晴らしい先生になると思います。彼は教えるのが大好き。自分が持っているものを共有したいという気持ちがある」と小林さん。トップ5の選手の中で最も教師向きと断言する。
「日本の野球史上、彼ほど自分の“企業秘密”を積極的に公開している選手はいない。まだ現役なのに、変化球をどう投げているとか。高身長に恵まれながら器用さを併せ持ち、工夫することが大好きで、それを分け与える。実際、日本にいたときも、ダルビッシュに教えてほしいという選手が球団に関係なく彼を訪ねて、本人も積極的に教えていましたね」
ここで6位以下のランキングを見てみよう。6位に阿部一二三(16票)、7位は羽生結弦(14票)、8位は石川祐希(11票)と高橋藍(11票)、田中将大(11票)とトップ10にはいずれも名だたるスポーツ選手がずらりと並ぶ。しかし「名選手だからといって、必ずしもいい教師になるとは限らない」と小林さん。では、実際にいい担任になりそうな選手はと聞くと、前述のダルビッシュ有のほか、田中将大(8位)、三笘薫(14位)、山本由伸(15位)の名が挙がった。彼らに共通するものは何だろう。
「まず教えるのが好きで、自分が目立つだけではなく他人を輝かせることに楽しみを感じられる人。自分勝手ではなく、他人への優しさがあること。そして一番は、自分の技術を共有する方法を持っていること。
超一流の選手は、自分でも知らずに技術を身につけていたりする。それが名選手だからといって名コーチにはなれない理由。自分でどうプレーしているか論理的にわかっていない名選手って、実はものすごく多いんです」(小林さん)