“野球エリート”だからこそ

 そして、早くも先輩へのおねだりの伏線を回収した大谷の“後輩力”にも注目が集まっている。

3月31日(日本時間)大谷翔平は前田健太からサインをもらったことを報告(本人のインスタグラムより)
3月31日(日本時間)大谷翔平は前田健太からサインをもらったことを報告(本人のインスタグラムより)
【写真】大谷がマエケンにサインをおねだりした「デコピンTシャツ」

「大谷選手といえば、昨年のWBCではチームを牽引していた姿が印象的でしたから、頼れるリーダー的なイメージを抱く人も多いでしょう。ですが、先輩選手からは“人懐っこい後輩”として愛されているようです。大谷選手の日ハム時代のチームメイトで、1つ先輩の近藤健介選手は、昨年のWBCで侍ジャパンとして再会を果たしました。その際、大谷選手はベンチやグラウンドで近藤選手にたびたびちょっかいをかけていて……。これについて近藤さんは、のちのインタビューで“変わらず普通の生意気なガキです。生意気な後輩とでも言っといてください”と苦笑いを見せました」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 また、WBCでは別の先輩に対する“塩対応”も話題を呼んだ。

「WBCで世界一に輝いた後の会見に、日ハム時代の先輩の杉谷拳士さんがインタビュアーとして出席。杉谷さんの“僕のこと覚えてますか?”という質問に対し、大谷選手は“まあ、なんとなくは”と回答したことが“最高の返答”と話題になりました。先輩後輩としての信頼関係があるからこそ、こうした華麗なイジりができるのでしょう」

 こうした大谷の後輩力は、“野球エリート”だからこそ身に付いたものかもしれない。

「大谷選手は日ハムに入団してすぐ、最年少で1軍に定着しました。年上のスター選手に囲まれる中、大谷選手はあっという間に先輩選手たちに溶け込み、可愛がられたといいます。幼少期から年上にも勝る野球の実力があったからこそ、先輩に混ざって練習や試合に臨むことが多く、自然に高い後輩力が付いたのかもしれません」

 メジャー挑戦から8年、佐々木朗希や山本由伸ら同じチーム内にも日本人の後輩が増えているが、これからも時々は“後輩”大谷翔平の一面が垣間見えることだろう。