女性マネジャーと新人俳優が、二人三脚で芸能界のトップを目指すNHKドラマ10『美女と男子』(総合テレビ毎週火曜夜10時放送)。6月9日放送分からは新たな所属事務所を舞台にした第2部がスタートした。反発しながらもパートナーとして絆を深める2人の気になる今後を、沢渡一子役の仲間由紀恵と向坂遼役の町田啓太に直撃──。
■第1部を振り返って、思い出に残っているのは?
仲間 『ひのでプロ』は弱小芸能プロダクションではあったけど、社長(森本レオ)はじめみんなが家族みたいにお互いを支え合って、励まし合いながら、向坂遼を引きあげてくれた。一子と遼の原点で忘れられない場所だなと思います。
町田 そうですね。毎回、ひのでの方たちにお会いすると、ホッとするという感覚になっていました。家族というか温かい空間になっていたので、それがなくなってしまったのは、ちょっと心細いなというのはあります。
仲間 役者として個性的で、いい人がそろっていて、マイナスなことを言う人がいなくて、ステキな現場でした。
町田 いままでは現場では緊張して、背筋を伸ばしている感じだったけど、今回は仲間さんたちが温かく迎えてくれ、感謝しています。毎回思うのは、仲間さんが疲れをまったく見せずに明るく現場の士気を高めている姿はすごいな、と。
仲間 大河ドラマ、朝ドラを経験してわかったことは、疲れたときは「疲れました!」と言うようにする(笑い)。そういうことを明るく現場にアピールすることも必要だなと、最近気づきました。だから、今回のドラマでは後半に向けて体力が落ちていくと思うので、率先して「疲れました!」と言っていこうかな(笑い)。
■芸能界が舞台で、共感することは?
仲間 ドラマでエキストラ役を体験してエキストラさんが普段どんなふうにしているのか、近くで見ることができ、苦労もわかり、リアルな姿を知ることができ面白かったです。
町田 エキストラのシーンを3日ぐらいかけて撮影していたときに、1日目にいた方が2日目はいない。そういうシフトだったみたいで、エキストラさんには普通にあることみたいですね。
■一子と遼が仕事以上のパートナーになる可能性は?
仲間 どっちにもなれる2人だと思います。最終回に向けて2人の関係がどう変わっていくのか、私たちまだ知らないんです。
町田 遼は一子の家族と仲よくなり、家にいたりして、マネジャーと役者ではあるけど、家族っぽくもなっている。それがどうなっていくのかも楽しみです。
■マネジャーに対して認識が変わりましたか?
仲間 一子を演じて、マネジャーにはいろんな仕事があって決まり事がないと思うようになりました。現場にいる、仕事を取ってくる、プロデュースすると、いろんな仕事がマネジャーにはある。一子は上から目線で指示していたけど、遼に反発されたりするなかで、寄り添うことが自分の仕事だと気づき、マネジャーとして成長する。マネジャーと芸能人はすごく近いし、すごく遠いとも思う。味方ではあるけど入り込みすぎずに、俯瞰して見ることも必要で、面白い関係だなと思いました。
町田 事務所の方に駆け出しのころ、一子のように(タレントの)プロフィールをそのままゴミ箱に捨てられたことがあると聞いて、リアルなところはリアルだと思いました。マネジャーは「自分のためかもしれないけど、人のためにやっていること、ステキじゃん」というセリフがあって、まさにそのとおりだなと。
■今後、見どころは?
仲間 一子にとって人に言えない悩み、相談は遼にしか言えないと改めて気づいて、関係性も深まって、距離感の近さが第2部だと思います。
町田 (一子と)言いたいことを言えるのがいいなと思う。すれ違っちゃうようなことも、なぜかかみ合っていくところが面白いです。
■大先輩の仲間さんとの距離も近くなりました?
町田 ちょっとした冗談を言えたり、ひとりボケしているのにツッコんでくださり、すべってるネタでも拾ってくださる。
仲間 拾うよ!(笑い)。朝ドラ(『花子とアン』で共演)のときに比べたら、グッとツッコめるようになったと思います!
◆『美女と男子』第2部スタート
仕事はできるが人望はなく、上から目線の一子(仲間)は、芸能プロダクション『ひのでプロ』に出向を命じられる。マネジャーとして新人発掘に奔走し、やる気のないイケメン・遼(町田)をスカウト。一子は、エキストラなどの下積みを経て俳優としてステップアップする遼を、ときに反目しながら支えるが、『ひのでプロ』が倒産。一子と遼は、所属事務所を移籍することになり新たなスタートを切る。凸凹な2人が、芸能界の頂点を目指す奮闘ぶりを3部構成(全20話)で描くコメディー・ドラマ。