悠仁さまの重い立場

初めての記者会見に臨んだ悠仁さま(2025年3月3日)写真/宮内庁提供
初めての記者会見に臨んだ悠仁さま(2025年3月3日)写真/宮内庁提供
【写真】学生時代の佳子さま、割れた腹筋が見える衣装でダンスを踊ることも

 悠仁さまは、皇室に41年ぶりに誕生した男性皇族である。天皇の位である皇位継承順位は、秋篠宮さまに次いで第2位という重い立場にあり、佳子さまは小さいころから弟の面倒をよくみるなど、それこそ家族全員で悠仁さまを大事に育て上げてきた。それだけに感慨深いものがあると思う。手前みそではあるが、この4月に発売された新刊『悠仁さま』(講談社)で悠仁さまの18年の歩みなどを詳しく紹介しているので、拙著を読んでもらいたい。

「私は幼稚園から高校まで学習院に通っており、限られた一つの環境しか経験できていないと感じることが多くございました。そのため、中学のころから別の大学に行きたいと考えるようになり、受験いたしましたが不合格となったため、内部進学で学習院に進学いたしました。

 入学したからにはきちんと卒業するべきだという考えもございましたが、学生生活を送る中でやはり別の環境で学びたいという思いがあったことと、先ほどお話しいたしましたように、ICUで学びたいという思いがあり、退学いたしました」

18歳のとき、学習院大学文学部に進学した佳子さま。入学式に先立ち取材に応じた(2013年4月8日)
18歳のとき、学習院大学文学部に進学した佳子さま。入学式に先立ち取材に応じた(2013年4月8日)

 佳子さまは2013年3月、学習院女子高等科を卒業し同年4月、東京都豊島区にある学習院大学に内部進学した。しかし、翌'14年夏、学習院大学を中退。その後、国際基督教大学(ICU)のAO入試に合格し、'15年4月、東京都三鷹市にあるICUに入学、卒業している。佳子さまは'14年12月29日の誕生日で20歳となり、成年皇族の仲間入りをしたが、ICU入学前というタイミングでの成年会見で前述のように語った。

 このように佳子さまは、大学受験に失敗している。さらに入学した大学を中退し、別の大学に入り直すなどの紆余曲折をたどってきた。悠仁さまの大学受験から高校卒業、大学入学までの順調な歩みと比べると、対照的なだけに、悠仁さまが希望した大学に合格し、期待に胸をふくらませて大学に通う日々を佳子さまが、どんなに喜んでいるのかがよく理解できそうだ。

 このほど宮内庁は、佳子さまが6月上旬にブラジルを公式訪問すると発表した。今年は日本とブラジルの外交関係樹立130周年にあたり、ブラジル政府から招待があった。期間は約2週間を予定し首都ブラジリアなど複数の都市を訪れるよう調整している。佳子さまの外国公式訪問は昨年のギリシャに続き4回目となる。大学受験失敗という試練を乗り越えて、国際親善の舞台でも活躍している佳子さまから、悠仁さまが学ぶべきものはまだまだありそうだ。

<文/江森敬治>

えもり・けいじ 1956年生まれ。1980年、毎日新聞社に入社。社会部宮内庁担当記者、編集委員などを経て退社後、現在はジャーナリスト。著書に『秋篠宮』(小学館)、『美智子さまの気品』(主婦と生活社)など