今田美桜(左)と北村匠海が登壇した『あんぱん』ヒロインの夫役の発表会見。二宮は北村の父親役
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 地元の芸能事務所に所属した今田は、少しずつ活躍の場を広げていった。福岡ローカルの情報番組に出演したほか、2015年にはNHK BSのドラマ『私は父が嫌いです』や、映画『罪の余白』などに出演している。

「そのときにはもう“東京へ行って女優になりたい”と話していましたね。大学に進学しようかと迷うことなく、心のしっかりした子だなと思いました」

 だが、当時の今田は思い悩んでいた。過去の雑誌インタビューでこう語っている。

《なかなか上京のビジョンが見えなくて。本当は東京に行きたいけど、勢いに任せて行ったところで頼れる人もいないし……》

 そんなとき、JR小倉駅に張られていた今田のポスターを見た男性がいた。

この子、売れると思うんだよ

「それが弊社の代表でした」

 と言うのは、今田が上京した当時から、彼女のマネジメントを担当していた所属事務所『コンテンツ・スリー』の小川真吾さんだ。

「弊社の代表が、その後に取り寄せた写真を見せて私に言うんです。“この子、どう思う? 売れると思うんだよ”って。当時の弊社は映像制作会社でしたから、私はポカーンという感じで。でも代表は“マネジメントをやる”と言い、今田をスカウトしたんです」(小川さん、以下同)

 同社の代表は福岡に通い、熱心にスカウトを続けた。しかし、今田の両親が反対。大学への進学を望んでいたのだ。そこで大学卒業時の年齢と同じ22歳までに芽が出なかったら諦めるという約束のもと、今田は2016年に上京する。