目次
Page 1
ー オーディションの歴史を振り返り
Page 2
ー 小室ブームの到来
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ー 変化していく昨今のオーディション

「これまでも数々のオーディション番組がありましたが、昨今が最も熱いのではないでしょうか。昨年末からはtimeleszのメンバーを募った『timelesz project』(以下タイプロ)、SKY-HI率いるBMSGがちゃんみなをプロデューサーとして女性メンバーを募った『NoNoGirls』(以下ノノガ)などが若者世代だけではなく、中高年をも巻き込んで社会現象化しています」(芸能ジャーナリスト、以下同)

オーディションの歴史を振り返り

 オーディション番組が熱いのは今に始まったことではない。時代とともに移り変わっていったそのあり方とは?

 今なおテレビ史に残るオーディション番組といえば『スター誕生!』(日本テレビ系)を差し置いては語れないだろう。萩本欽一を司会に、山口百恵さんや中森明菜、小泉今日子を発掘した伝説の番組として語り継がれている。

「それまで謎のベールに包まれていた芸能界にハガキ1枚で誰でも応募でき、その審査の過程を公開することで、芸能界がより身近になった。さらに芸能事務所の存在を誰もが知るところとなりました。

 決戦大会で気に入った出場者に各芸能事務所がプラカードを上げるシステムで、一部では『人買い』と批判されたことも。人身売買のように見えなくもないですからね(笑)。今でも第一線で活躍している小泉さんや中森さんを素人のときから見られた視聴者がうらやましいです」

『スタ誕』を皮切りに『君こそスターだ!』(フジテレビ系)などの番組が乱立。しかし時代はオーディション番組から遠ざかり……。

「次に出てきたのが素人参加型の『夕やけニャンニャン』でしょう。おニャン子クラブは一応『夕ニャン』内のオーディションという体をとっていましたので」

 形を変えていくオーディション番組。'90年代にはタレントの千秋らを生み出した『ゴールド・ラッシュ!』(フジテレビ系)などが放送されていたものの、ヒットと呼ぶには程遠く、オーディション番組は冬の時代に突入した。