TRFのメンバーとして音楽活動を続けながら、最近ではテレビやイベントで唯一無二な“天然”ぶりを発揮。私たちの想像を超えた言動で楽しませてくれているDJ KOO。常に笑顔、常に本気。「毎日が楽しい」と語る彼の本音を聞いてみた。
「学生のころは、勉強の仕方がわからなかった。両親からも“勉強しなさい”って言われたことがないんです。ただ、“髪の毛を切れ”っていうことだけは、母に毎日言われました。早くに母を亡くしているので、どういう意図であんなに言っていたのか、聞きたいと思うことはあります」
沢田研二に憧れ、小学校高学年から伸ばした髪は、高校のラグビー部で短髪にした以外、ずっとロング。多忙を極めた'90年代は、まる2日かけて当時としては珍しかったドレッドヘアに。いまや定番の“金髪ロング”で、娘さんの授業参観にも参加している。
「学校へはいつもスーツで行きます。サングラスは取って、金髪が目立たないようにニットの帽子をかぶって」
黒のスーツにシャツ、ネクタイ姿で1限目から現れ、最後の授業まで教室にいるという。驚く生徒もいるのでは?
「娘が小学校に入る4年前から、毎年、運動会を見に行っていましたから(みなさん)、もう違和感がないと思います。私立の学校なので、受験で面接がありまして、そのときに“ほかのお父様より、学校のことを知っています”って(笑い)。保護者会にも参加しています」
顔を赤くスプレーし天狗の仮装で驚かせた初バラエティー以降、数多くの番組に出演。“面白い”や“変わった”“何を考えているんだ”と賛否両論ある中、常に味方でいて、応援してくれるのは現在16歳になる娘さんと、奥さん。
「それまで出ていた音楽番組とはまったく違いますからね。でも、プロのスタッフが一生懸命にやっている仕事を無駄にしたくないなって。あの仮装には家族も驚いていましたけど、やってみたら気持ちよかったです(笑い)。バラエティーに出るようになって家族の会話は増えました。それは、うれしいことです」
もうひとつ、うれしかったのが高座に上がれたこと。
「小さいころから大好きだった唯一無二の存在“ゴジラ”を超えるのが、故・立川談志師匠。10代後半にテレビで初めて見て、ハマりまして。それを知ってか、ある番組の企画で高座に上がったんです。
学ぶ姿勢はできているつもりだったけど、実際にやるとなると全然できなかった。でも、また機会があれば、挑戦してみたいです」
“失敗してもいいんですよ。すべてが経験や財産になる”と、笑顔で語る。
「ちょっと前向きになることで楽しい方向に気持ちを向けられるようになる。人それぞれにKOO訓のここを取り入れてみようっていうふうに使えてもらえたらと思います。
TRFのライブのたびに、ブースにいる僕の目の前を4人が走りだす姿を見ると“今がいちばんいいじゃない”と思う。この4人と同じグループでよかったって、幸せを感じます。もちろん、僕はいつだって“今がいちばん”です」
撮影/伊藤和幸