20150929 suido (6)
大分・豊後高田市黒土地区は約10キロも離れた市内に給水に行っていたが、11年に小規模飲料水供給施設を整備した(写真は橋本さん提供)
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「お金に余裕のあるところは、水道管の内部に保護膜を張り鉄サビの進行を抑えるなどし、寿命を20~30年延ばそうとしています。最後に行きつくところは、事業から水道を切り離して考えることです。繰り返しになりますが、給水タンクに自力で給水に行く……。料金がどこまでも上がるより、いいかもしれません」(橋本さん)

 いつまでも高い水道料金を支払い続けるのか、それ以外の選択をするのかは、住民の意思次第か。

 水道料金の未来が明るく照らされていないなら、「今のように1人1日250リットルも使う」(前出・橋本さん)暮らしを今すぐにでも我慢し、個人レベルで備えるしかない。

 節約アドバイザーの小松美和さんは、

「少しの工夫や心がけで、水道代はどんどん抑えられる」

 と呼びかけ、次のように節水術を伝える。

「洗面所は、下にあるバルブをひねって水圧を抑えます。トイレは、大小のレバーをきちんと使い分けること。年間3000円の節約につながります。キッチンではため洗い。歯磨きもコップに水をくみます。蛇口の水は1分間に12リットルほど流れるといわれていますから、5分間で60リットルもの差が生じてきます。お風呂のシャワーは節水型シャワーヘッドがおすすめ。浴槽に水の入ったペットボトルを数本浮かせば、従来の半分ほどのお湯でも肩まで浸かれます。洗濯も、すすぎの回数や時間を減らすなど工夫できる。雨水をため洗車やサッシの外側の掃除などに使いましょう」

 月に数百~数千円の節約が積もれば、年間では数万円ものお金が浮くことも。水は資源であり、資源である以上無尽蔵ではない。しかも安くもない。ひとりひとりが、上手な“水使い”になることが、高騰する水道料金に対抗できる、即効性のある手立てなのかもしれない。